室内に風を通す工夫と
呼吸する自然素材を多用
下の図を見るとよくわかりますが、中庭を設けて建物の外形に凹凸をつけることで、各住戸の2面もしくは3面が外に面する(窓が取れる)「多面開口」を実現しています。この結果、各住戸で通風・採光を確保するとともに、1フロア4戸で、中庭から東西に2戸ずつ振り分け、2基のエレベーターを配置することでプライバシーも確保されています。では、住戸内を見学してみましょう。総戸数が少ないため、別途モデルルームをつくらずに竣工してから販売する方式なので、各住戸を見ることができます。
床は総ヒノキのフローリング。調湿性と断熱性に優れ、触り心地もよいという理由からです。建具はシナの突き板仕上げで、天然木を多く使っているのも特徴です。壁は環境対応型の水性塗装で、塗り直しがしやすいというメンテナンス性を重視して選ばれたものです。
扉は原則引き戸(衝撃緩衝機能付き)として、全開したり少しだけ開けたりして、常に室内を風が通るように設計されています。緑のカーテンが作れるように、バルコニーに花台や金具などを設置したり、テレビが見やすいように、梁を下にして窓を高い位置に設けたりといった工夫も随所に見られます。
リビングダイニング
キッチン
左)一部の壁には水性塗装を塗らずに、元の色を見せる部分を敢えて設けている。右)通気口は見栄えや風通しを考慮して、下の位置に設置
モデルルーム
洗足池に近く、交通アクセスもよい立地ですから、マンションの価格については、70平方メートル台で7500万円台、8000万円台になります。
自然を取り込んだ設計プランのマンションなので、通常のマンションと違う点も多々あります。緑のカーテンを育てたり、屋上庭園の畑で栽培したりと、入居後も自然とかかわって生活することになるはずです。中には、自然環境にあまり関心がない、そこまで自然素材にこだわらなくてもよいといった考え方の人もいるでしょう。一方で、自然とかかわって暮らしたい、自然に親しい地域環境が好きという人もいるでしょう。そうした人には、得がたい特徴のあるマンションといえるのではないでしょうか。