セクシュアルマイノリティ・同性愛/LGBTビジネス情報

LGBTsへアプローチし始めた日本企業(2ページ目)

欧米の企業ではLGBTsへの取り組みは当然のように行われているが、横並び的な発想の強い日本企業は手を出せないでいる。しかし、新しい挑戦をしない企業が、これからの不確定な時代を生き抜けるのだろうか?先進的に取り組みを行っている企業例を交えながら解説する。

執筆者:林 康紀

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LGBTsカップルの挙式を実現した結婚式場

去年(2014年)、LGBTsカップルが、みなとみらいの「ザ・クラブ・オブ・エクセレント・コースト(以下、エクセレントコースト)」という結婚式場にて挙式しました。その様子は、3月に出版された『ゼクシィPremier』にも掲載されています。

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挙式したLGBTsカップルの様子

エクセレントコーストは、株式会社ブライダルプロデュースというブライダル企業の運営する結婚式場です。私たちが突然連絡をしてLGBTsカップルのご相談をした際、非常に好意的に対応をして頂きました。むしろやる気満々、断る理由がないという感じで、私たちは安心して式場をカップルにご紹介し、挙式が決定しました。

ただし、ブライダルプロデュースではLGBTsのカップルの挙式を行うというのは初めての取り組みだったため、どう対応すればいいのかわからない状態でした。そこで、私たちは今までの同性カップル挙式対応の経験をもとに、LGBTs対応研修を行い、「LGBTsとはどういう人たちなのか」という基本情報から、「LGBTsの顧客に対して挙式を行う際にどのような点を気をつけるべきか」など網羅的に研修を行いました。

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LGBTs研修の様子

詳しくはあまり述べられませんが、例えば、LGBTsのカップルは友人もLGBTsの可能性があるため、ゲストのプライバシーに気をつけないと「意図せぬアウティング」を起こす可能性があります。

言い換えると、参列者が結婚式中に写真を撮り、勝手にそれをWEBにアップロードした場合、その写真に写っていた人がLGBTsであることを日常生活で隠しているのに、他人によって無許可にWEB上に暴露されてしまう可能性があるということです。家族、友人、職場などに自分のセクシュアリティを隠している人は、そんなことをされたらたまったものではありません。ご友人はゲストとして結婚式に来て下さったのに、結果的に不快な思いをさせてしまう可能性があります。

このような内容を踏まえ、研修を行い、エクセレントコーストでは無事にLGBTsカップルの挙式を迎えることができました。本件が口コミで伝わったのでしょうか、その後もブライダルプロデュースの所には数組のLGBTsカップルからのご依頼が来ているそうです。以前、ブライダルプロデュースの方はこうおっしゃっていました。

「結婚式は十人十色。目の前のお二人が幸せになるお手伝いをすることが第一です」

「果たして、私たちでもできるのか?という不安は正直ありました。でも、断る理由もありませんでしたし、やらない選択は考えていませんでした。社内でも、反発する人は1人もいませんでした」

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