大学生の就職活動/就職活動の準備

グループディスカッション通過率をアップさせるには?4つのポイント

今回は、選考側での経験をもとに、グループディスカッションで見られているポイントと通過率を上げるコツ、対策を紹介します。就職活動の選考過程で遭遇する「グループディスカッション」。面接と違って、一体何が見られてどう判断されているのかわからないと感じる人も多いはず。

井上 真里

執筆者:井上 真里

大学生の就職活動ガイド

グループディスカッションの通過率を上げるコツは?

グループディスカッションの通過率・合格率を上げるコツ

グループディスカッションは何を見ているの?

新卒採用の選考によく取り入れられているグループディスカッション。

グループディスカッションとは、4人程度から多い時には15人程度の人数で、与えられたお題について話し合う様子を周りから社員がじーっと見ている、という選考スタイルです。

面接と違って、一体何が見られてどう判断されているのかわからないと感じる人も多いでしょう。自信があったのに不合格だったりすると、苦手意識を持ってしまい、どんどん迷走してしまうこともあるようです。

ガイドは過去、人事としてグループディスカッションの選考に携わってきました。また他社の人事から聞いた選考事情をもとにグループディスカッションで見られているポイントと通過率を上げるコツをお伝えします。
   

グループディスカッションで面接官が見るポイント

企業がグループディスカッションを選考で取り入れる目的は2つあります。まずはそれを理解して対策を立てることが、通過率を上げるベースになります。
 
  • ■目的1 チームで発揮できる力の種類を確かめたい
グループディスカッションはチーム作業です。あなたがチームで行動している様子を見ることで協調性・主体性・リーダーシップの有り様がわかり、ディスカッションの様子を見ることで創造力やロジカルさも推し量ることができます。

面接で「リーダーシップがある」「協調性がある」などと述べていたことが実際の場ではどうなのか、なるべく自然な状態で知りたいというおが企業側の目的の一つです。

だからこそ、グループディスカッションはどんな役割であっても、チームの話し合いの役に立つことに全力を注ぐべきです。

「自分がどう見られるか」ばかりに意識を向けると縮こまってしまい、逆効果になることが多いのです。具体的には、「発言しない」「メンバーの発言を聞くときの反応がない」「ずっと下を向いている」など、いてもいなくても変わらなかったり、マイナスな影響を与える人はアウトです。
 
  • ■目的2 学生を比較した上で、効率よく合う人を見つけたい

選考のはじめにグループディスカッションがある場合、エントリーシートではわからない、その人の印象や能力を短時間で大まかに判断するための手段として取り入れられていることが多いようです。

たくさんの応募者がいると、企業は一人ひとりとじっくり話す時間がとれません。でも、エントリーシートだけではわからないこともたくさんあります。

そこで、たくさんの学生に一度に集まってもらうことで比較しながら、会社と相性が良さそうかどうかを判断しているのです。

そのため、話した内容だけでなく、表面的な印象も合否の判断に大きく影響します。話す内容ばかりに気を取られるのではなく、姿勢や話し方、表情や声のトーンなど、周りから見た印象にも気をつかいましょう。
 

選考基準と通過率は企業によって違う

そもそも余計なストレスを感じないために理解しておきたいのは、企業によってグループディスカッションにおける選考基準と通過率は違う、ということです。

ある卸売会社では「協調性やリーダーシップが感じられる発言をしているか」を重視し、あるメーカーは「創造力があって、一言でも何か新しいアイデアを出せるか」が合否のポイントです。ある商社では「選考担当者が自分より能力が高いと思える人を合格にする」ということを基準にしています。

このように、グループディスカッションには統一の基準がないため、そもそも「これをやれば絶対に通過する」というものはありません。

通過率も「グループ内に1人のキラッと光る人だけを合格させる」場合もあれば、「だいたい4~6割を合格とさせる」と設定する企業もあります。

だから、自分がベストを尽くしたと思っても落ちてしまったなら、それは「応募した会社が重視するポイントと自分の強みが合わなかった」もしくは「ほかにもっと合う人がいた」ということです。あまりクヨクヨ考えすぎないことが大切です。
 

共通するグループディスカッションのコツ

通過率アップのポイントをおさえよう

通過率アップのポイントをおさえよう

このように、グループディスカッションは企業で求められていることにもレベルにも違いがあります。ただし、メンバーとひとつのテーマについて話し合って回答を出すためにプラスの行動は何かと考えれば、共通するポイントはあります。これをおさえるだけでも、通過率がアップしますので取り組んでみましょう。
 
  • 1.業界のことや会社のことを知っておく

まずは事前の準備から。多くのディスカッションはその会社のことと無関係なことも多いです。しかしテーマによっては「当社の新製品を考えよう」といったように、その会社の事業や製品のこと、業界の知識の有無で話せる内容に大きく差が出てしまうことがあります

グループディスカッションだから、まだ業界や会社のことを知らなくても大丈夫だと油断して、まったく手も足も出なかった.....ということにならないように応募する会社については調べて臨みましょう。
  • 2.時間を管理する

完璧を目指しすぎて時間を忘れてしまう人が意識したいポイントです。どんな仕事でも、期限がありますから、グループディスカッションでも求められた回答を制限時間内にまとめることが最優先です。話し合いの時間を提示されたら、スタート時に必ず終了時間を確認します。「まとめにはいるまでの大体の時間配分は決めた方がいいでしょうか?」などはじめに計画を立てるのも効果的です。そして、その後も時間に配慮しながら周りに残り時間を伝えつつ、時間内に話がまとまるようにコントロールしていきます。
 
  • 3.テーマを意識する

しゃべり好きな人が意識したいポイントです。話し合いが進んでいくと、話題がテーマからずれることがあります。テーマがずれていることに気付いた時は、そのままにせず伝えましょう。「いま、テーマが○○にずれているような気がしますが、時間があと○分ほどなので、少し話を軌道修正しませんか?」などと空気を悪くしないように伝えるのがいいですね。
 
  • 4.メンバーに気を配る

自分の実力をアピールすることに必死にありがちな人は気を付けたいポイントです。ディスカッションは、自分だけで結論を出すものではありません。ここでは、話さずに目立っている人と話して目立っている人に注目することです。

話の輪に入れていない人には「○○さんはどう思いますか?」とフォローします。

「ここまで出た意見をまとめましょう!」と話についていけなくなった人をフォローする一言もいいでしょう。話し続けている人には、勇気を出してストップをかけることも大切です。この時は「いいですね!でも、 時間も限られていますので、ほかの意見も出し合いませんか?」など相手を認めてから進めると丸くおさまるでしょう。

ちなみに、多くの人が気にしている「どんな役割(リーダーなど)につくといいのか」という点が、直接に結果に影響する、というケースは聞いたことがありません。

どんな役割であっても、自分の得意な役割を見つけ「あなたがチームにいてくれてよかった」と言われるようなプラスの影響を発揮できるようにベストを尽くしましょう。

健闘を祈ります!

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