運動と健康/柔軟性・姿勢・コンディショニング・身体の動き

靴があなたの足の“本来あるべき姿”を奪っている(2ページ目)

靴を選ぶ基準は、おしゃれかどうかのみに置いている方がほとんどでしょう。しかし、靴は足の機能の補助が本来の役割です。足の機能を低下させてしまっては本末転倒。今回は、靴と足の関係を分かりやすくご紹介します。ご自身の靴選びのご参考にして下さい。

中村 尚人

執筆者:中村 尚人

理学療法士 / 運動療法ガイド

足の機能を低下させない靴選びの方法とは

ひとことに足といっても、それぞれに個性があります

ひとことに足といっても、それぞれに個性があります

足がかたい方の特徴は、足の関節の遊びが小さく、体重を掛けても足のアーチが下がらないことです。このような方は裸足がベストで、シャンク(靴底と足裏の間に入っている芯)やカウンター(靴の踵に入っている芯)などの余計な機能付与はいらないでしょう。裸足にできるだけ近い靴がいいと思います。ただ、足が硬い分地面からの衝撃をもろに受けますので、ヒールクッションはあったほうがいいかもしれません。

足がやわらかい方の特徴は、足の関節の遊びが大きく、体重を掛けると簡単に足のアーチが下がることです。ある程度紐でしっかりと足を収めることができるものが必要です。シャンクやカウンターも必要かもしれません。スリッポンやムートンのブーツなどは適しません。ベアフットシューズもサポートがないので向かないでしょう。

足のアーチが低下している方は、靴紐での安定と併用して、インソールなどでアーチを直接サポートするといいでしょう。インソールは長期間使うものではなく、足のアーチを構成する筋肉が鍛えられると必要なくなることがほとんどです。中学生でもインソールを3ヶ月間用いることで、継続的なアーチ形成が可能という報告が出ています。

足が喜ぶ、体が喜ぶ靴選びが重要

足は、体の中で唯一床と接している部位です。ここに問題が出ると全身に影響があります。逆に、それ以外の部位の問題も足に影響を与えます。

靴に適応して、体が変わってしまうことがあります。過去の患者さんで、すごく後ろに偏って歩かれている方がいました。見るからに違和感を覚える姿勢です。ところが、ヒールを履くとまっすぐになるんです。つまり、ヒールでまっすぐになるように体が適応していたのですね。ですから、裸足になると体に異常が出てしまっていました。

たかが靴と思わず、足が喜ぶ、体が喜ぶ靴選びをして頂きたいと思います。ファッションで足を閉じ込めてしまった時には、解放して自由に動かす時間も十分に取ってあげましょう。オンとオフでしっかりと靴を使い分けることも必要ですね。


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