「和トレンド」とフレグランス,、沈丁花の香り
近年、身の回りのデザインで、新しい「和テイスト」が注目されていますが、香りの個性も同様の傾向があるのでしょうか?新幹線の開通で注目される小京都・金沢の文化や、2020年の東京オリンピックへむけて、まだまだ新しい方向性が打ち出されるであろう「和」のテイスト。今回は「和」の印象を持つ香りがテーマです。
日本で早春を告げる花は多々ありますが、なんといっても香りの強さと個性で広く知られている花は沈丁花ではないでしょうか。我が家の庭にも、白花と赤花の2種類が今を盛りとホワイトフローラル独特の強い香りを放ています。
早春のまだ冷たい空気の中で、凛と香り立つ沈丁花の香りをご紹介します。
ジンチョウゲ
沈丁花の花
ジンチョウゲは、ジンチョウゲ科、ジンチョウゲ属:(学名:Daphne odora)。
英文名はWinter Daphneで、ギリシャ神話の女神の名として著名なDaphneにちなむといわれています。原産は中国南部。日本へは室町時代に渡来し、沈丁花という名前は、
丁子(クローブ)に似た花姿と香木の沈香のような良い香りがする木なので、名付けられたといわれています。
フレグランス原料個性としての沈丁花
調香の素材としては、スズラン(Muguet)等、ホワイトフローラルの個性を持つ香りの仲間で、グリーンな印象も加わってナチュラルな女性のイメージがあります。日本では春を告げる香りのよい庭木として人気がある沈丁花。
香料原料としての栽培はなされていませんが、多くの香料会社が独自性のある沈丁花のベースを開発しています。私が以前勤務していたスイスの香料会社においても、フレグランスハンター(世界中の香りの強い植物を分析する専門の調香師)とともに、農家の庭先で沈丁花の香りを採取して、分析をした楽しい思い出があります。
創業430年の老舗から、 凛とした沈丁花のオードトワレ
ダウントウアース オードトワレ ジンチョウゲ
まzy1つめは、天正年間には御所御用も務め、現代も香文化を伝え続けている香十。
香木や線香等、日本文化を今に伝える老舗ですが、「down to earth」というオーデトワレシリーズを発売しています。サンダルウッドやローズ等、9種類の香りのバリエーションの中に沈丁花の香りがあります。
ダウントウアース オードトワレ ジンチョウゲ 60ml / 5400円
http://www.koju.co.jp/
京都の香り: 、饅頭に沈丁花の香り
ウサギマンジュウ
香りのつけすぎにも注意できますし、肌で温められてゆっくりと香りが拡散していきますので、良い香りがあまり変化せず持続しやすくなります。
今回ご紹介するのは、とてもかわいらしいうさぎの容器に入った練香水の沈丁花です。
ストレートな沈丁花の香りは、植物の青臭さがあるため他のホワイトフローラルの花も加味しながら創られています。
京都のお土産として販売されているようですが、そのかわいらしさと「和のフローラル個性」によって、おもてなしの香りグッズとしてお勧めです。
和菓子をイメージした、舞妓さんシリーズの練り香水「うさぎ饅頭」 8g/ 669円
http://www.mamysango.co.jp/
今回は、沈丁花の香りが色濃い日本のフレグランスをご紹介しました。上品な印象を感じさせる沈丁花のフレグランス、清楚で佇まいある香調をぜひ試してみてください。