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小野寺修二×藤田桃子『白い劇場』インタビュー!(2ページ目)

コンテンポラリー・ダンス界の異才、小野寺修二さんが立ち上げる新たなスタイルのカンパニー『白い劇場』シリーズ。オーディションで募ったメンバーと共にクリエイションを行い、この春第一回公演 『分身』で初お披露目を果たします。ここでは、主宰の小野寺修二さんと藤田桃子さんにインタビュー。『白い劇場』シリーズ発端の経緯と、今後の展望をお聞きしました。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

バレエガイド


メンバー募集にあたり、昨年オーディションを開催しています。
どんな審査をされたのでしょう?

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『白い劇場』稽古場にて

藤田>オーディションでは大きく分けて三つのお題をやりました。ワーッと動いて心拍数を上げ、身体性や持久力について行うものがひとつ目。二つ目は、等速について。等速の意識ってすごく大切だと思っていて。三つ目は演技的なもので、20分くらい時間を渡してキャラクターをつくってもらい、各々発表していただきました。

小野寺>オーディションのときは、僕自身もういっぱいいっぱいになってましたね。藤田さんに“とにかく全力でいくから、面白そうなひとがいたら教えて!”と客観的に見てもらって……。“こちらが何を面白いと思ってるか知って!”という気持ちがあったし、“みんなに火を付けたい!”っていう、よくわからない使命感があった。気付いたらワークショップみたいになっていて、オーディションなのか僕の持論を唱える会なのかわからない感じ(笑)。だからすごく疲れたし、アドレナリンが出た。でもたぶん、それが自己紹介だったと思う。

戸惑ったひとは多かったかもしれません。急にセリフを言えとか、チリのように歩いて、なんて言うので。やった後に“どうでした?”と聞くと、“すごく気持いいです!”とか、“チリになりました!”と言う。そこでまた僕が“それはちょっとどうだろう……”なんて余計なことを解説してみたり、ひとり無駄にアツイひとがいる感じ(笑)。でもそれでいいんです。だって、自己紹介なので。


非常に難度の高いオーディションですね。

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藤田>やり方がわからなくてもいいんです。“コレ面白そう!”という意識があるかないかなので。等速にしても出来るかどうかではなく、究極に地味な作業なので、そこに興味を持てるかどうかを知りたいと思いました。

小野寺>例えば“ここにペットボトルがあります、さてこれで何かできますか?”というお題が出されたとする。マイムでいうところの見立ての作業なんですけど、そこに興味が持てるかどうかが重要。等速と言われたとき、一生懸命等速を探すひと、等速とはこういうものだって形で落ちていくひと、何だかわからず終わるひとと、はたで見てるとわかる。

キャラクターをつくってみてと言われたとき、楽しんでできるひとと、苦行になっちゃうひとと、こんな感じでどうですか? っていうひとがいる。だけどなかには、“へーっ!”てワクワクするひともいる。答えがあることではないから、結局何でもいいんです。そのひとが生き生きしてくれたらそれでいい。ただ腑に落ちたとき、ひとの顔って変わるんですよね。今考えると、それを僕なりに探してたのかなって思います。


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