フレンチ/東京のレストラン

今、最も旬な店は?と聞かれたら迷わず「マノワ」!

広尾と恵比寿の間にある、やや不便な、でも隠れた名店も多い静かなエリアに光り輝くレストラン、マノワ。こじんまりとしたスペースにオープンキッチンの前のカウンター4席。この空間に今のフランス料理、ワインがすべてそろっているといってよい。この春に向けて予約しておきたいレストランの一つと言える。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

極上ジビエと繊細さにあふれた珠玉のレストラン

20歳のときに恵比寿のラブレーからキャリアをスタートした中村氏は、その後クラブニュクスやアニュを経て今や自らのレストランの先頭に立ってゲストと楽しげな会話を交わす。物腰の柔らかい彼の個性は顧客を和ませる見本のようなものだ。
マノワ

通りからやや入ったところにあるエントランス。店内は意外と小さい。

広尾と恵比寿の中間の、決してアクセスのいい場所ではないこの地でこじんまりと暖かな空間を作り出している。料理は丁寧でスキがなく、適度な驚きを持った現代風フランス料理を作り出している。全体的には何を食べているのかはっきりわかる料理、故郷のご家族が討った鹿肉など、出所のはっきりした素材をシンプルにまとめ上げていることにレベルの高さを垣間見る。
マノワ

ホワイトアスパラのロティが春の風を運び込む

最初に登場したプリンのようなバター。表面を溶かしてあたかも光沢が塗られているような楽しさからはじまる。パンはないので、一体これは何だろう?と会話が始まる。アミューズに刺さるキャベツのチップスの味は興味深い。細かな仕事ぶりが見て取れるが、店の規模に比較してキッチンスタッフの充実ぶりが、ある側面このレストランの人気を物語っているのではないだろうか。
マノワ

蝦夷鹿のコンソメ!に気持ちが昂る

はやくも登場したフランス産ホワイトアスパラは太さはないものの、根野菜と共に皿を彩る。鯛焼のチップスカバーに隠されたフォアグラはこれ以上はない旨みが凝縮されている。もはや珍しくもない食材だが、確実な旨みをもたらす。

手の込んだ蝦夷鹿のコンソメは申し分がない。こういった伝統的なフランス料理を忘れてはならない。この一皿で至福の時が約束されることを保証する。
マノワ

長野県に近い山梨の山中で獲れる鹿が定期的に届けられる。

ホウボウのポワレは皿の端に添えられ、これはフランス北部の人気店、グルヌイエールを意識したものと思われる。メインの山梨産蝦夷鹿のロースト。猟師の血抜きの技術と火入れ加減が見事に調和している逸品ではないだろうか。

料理に合わせて中村セレクションのグラスワインが次から次へと注がれる。最後はブルゴーニュはサントネイ。優しい味わいが名残惜しく身体全体にいきわたる。ワイン好きにとっては垂涎物のワインリストであることを記しておきたい。
マノワ

可愛らしい女性スタッフとのお話も楽しい!

サービスの女性も、カウンター越しの若いスタッフも生き生きとして仕事に取組み、見ていて非常に気持ちがいい。

コースはいくつかあるがおススメはムニューヴェレーゾン(10,000円税サ別)。小皿でゆったりと料理が運ばれ、その度に心地よい驚きが楽しめるだろう。
マノワ

自分の家のように寛げるという意味が込められた店名だ。


レストランマノワ
東京都渋谷区 広尾 1-10-6 プロスペクト グラーサ 広尾 1F
東京メトロ日比谷線「広尾」駅より商店街を抜けて徒歩8分
JR「恵比寿」駅東口より徒歩10分
地図
都営バス「広尾一丁目」バス停すぐ
Tel 03-3446-8288
営業時間 Lunch11:30~13:30(L.O.) Dinner 18:00~21:00(L.O.)
席数 テーブル席12席、カウンター席4席
定休日 月曜日
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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