今後コンクールをどのように育てていきたいと考えていますか?
NBA全国バレエコンクールからどんどんダンサーが巣立っていくのを見るのは非常に楽しみです。ただ日本に受け皿がないから、みんな海外に行ってしまう。みんないい時期に向こうで花開いているんです。日本と違って、海外なら十分生活していける。しかもプリンシパルクラスになるとかなりの収入が得られから、海外に行きたがるのはしょうがない。年金や保証もあるし、待遇があまりにも違う。日本もバレエできちんと生活が成り立てばいいんですけど……。
西洋のものではあるけれど、実をいうとバレエは日本人に非常に合っているんです。胴が長くて足が短いから重心が取りやすいし、細かいステップをコツコツ習得するのも性に合ってる。細やかな感性も素晴らしいものを持っている。体操やフィギュアスケートも、活躍している子は日本人が多いですよね。世界中のバレエ界をみても、一番活躍しているのはおそらく日本人だと思います。
NBA全国バレエコンクールでスカラーを取って、バレエ学校に入って、プロになって……、というダンサーの全サイクルを見てきました。海外のカンパニーにも東洋人枠というのがあって、うまく入れるひともいれば、実力があってもタイミング次第で入れないひともいる。そこは運なのでしょ
今はひと駅にバレエ教室がいくつもある時代で、男性舞踊手もどんどん増えているから、これまでのように発表会に呼ばれて収入を得られるような機会も少なくなる。日本のバレエ界を取り巻く環境はより厳しくなってくると思います。