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スターの登竜門!NBA全国バレエコンクール 後編(2ページ目)

1998年にスタートし、以来数々の才能を発掘してきたNBA全国バレエコンクール。1月に開催される本戦はローザンヌの前哨戦ともいわれ、毎年大きな注目を集めています。全国から集うスター候補たちの中から、頂点を極める逸材とは……? コンクール運営委員長・久保栄治さんにお聞きしました。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

バレエガイド


コンクールをはじめた頃と比べて、参加者のレベルに変化はありますか?

ph

 

久保>確実にレベルは上がってきています。ひと昔前はオーロラの一幕など二回転してバシッと止まれば良かったけれど、今はもう三回、四回転の時代になってる。ただ技術は進歩しているかもしれないけれど、ハートの部分はどうかなと感じることもあります。

コンクールを見ていても、日本人はやはり上半身の表現が海外の踊り方と明らかに違う。繊細で美的でいいけれど、もう少し表現してもらいたいなと思う部分があります。

海外と違って上半身の使い方が弱く、ポール・ドゥ・ブラや上半身の動きなど、もっと感情を出してもいいのではと感じます。テクニックはいいけれど、そちらの方にばかり意識がいって、表現面はあまり良くないなというひとは多いですね。


上位入賞者に共通する傾向や特徴は何かありますか?

ph

 

久保>コンクールで上位になるためには、やはり先生が寝食一緒にするくらい打ち込んでいないとムリだと思います。本当にその子と一緒になってやらないと、愛情をかけないとダメ。一位になるような子は、たいてい先生と一心同体になって取り組んでいますね。

二山さんの場合も先生が全て面倒を見ていて、朝起きると歯磨きが置いてあったり、食事も部屋も全て用意してあったとか。それくらいの体制で臨まないとダメかもしれない。教える方に愛情がないと、とことん才能に惚れ込んで、この子のために頑張るという気持ちがないとできない。

みなさんそうやって一年間コンクールを目指してやってくる。衣装やメイ
ph

 

クからはじまって、あらゆる角度から研究してる。その集大成だから、命がけです。それはもう真剣ですよね。上位に入るような子は、毎日個人レッスンで4~5時間は練習しているのではないでしょうか。学校生活もあってのことですから大変です。

まず才能ある原石を発掘し、それを見つけたら次は先生との出会いが大切になる。才能というのは3歳からわかります。筋肉組織や神経、内臓など全部違う。努力というより、与えられたものでもある。生まれつきの天才っているんですよね。それでいて、努力できることも才能。天才だから努力できるんです。海外の先生方も常に原石を探しています。マラーホフも以前コンクールを見に来ていたことがありますよ。やっぱりダイヤモンドを見つけるのは大変ですからね。

ph

二山治雄さんさんを招いて開催された「ハレエふれあい感謝祭」(2014年4月20日)



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