企業のIT活用

企業がクラウド導入の検討でおさえるべきポイント(2ページ目)

クラウドのメリットとしては、場所・時間・端末を選ばずに利用できる利便性のほか、圧倒的に安い導入コストや機能の選択肢の多さ、運用・保守コストの削減などが挙げられます。一方、デメリットは、利用人数や期間よってトータルコストが高くつく可能性があること、カスタマイズしない利用方法が前提であること、セキュリティ考慮の必要性などが挙げられます。メリットとデメリットを把握し、上手にクラウドを活用しましょう。

長谷川 渉

執筆者:長谷川 渉

企業のIT活用ガイド

デメリット:トータルコスト、カスタマイズ、セキュリティ面のリスクを知っておく

確かに、導入時のコストを低く抑えることは可能ですが、運用コストを加算していくと、特に長期・多数で利用する場合は、自社開発よりもコストが高くなるケースもあり得ます。

「すぐに利用できる」というメリットに隠れてしまいがちですが、利用者の増加やプラン変更など、長い目でトータルコストを算出・検討しましょう。

また、基本的なバージョンアップ以外に、自社都合による機能・システム環境の追加やカスタマイズなどを個別で依頼して対応してもらうことは、(不可能ではありませんが)現実的ではありません。

サービス提供元としては、個別対応を行わないことで運用コストなどを抑えていますので、あらゆる要望を受け入れてしまうと、それだけ開発費用がかさみ、採算が合わなくなってしまいます。

万が一、個別対応に応じてもらえても、自社開発よりもコストを下げることがクラウドサービス利用の目的の一つですので、カスタマイズによる別途費用の発生は避けたいところ。提供されているサービスの機能・内容に合わせて、自社の運用方法を変えていくといった選択肢も必要になってくることを覚えておきましょう。

最後に、セキュリティに対しても、クラウド=安心という過信は禁物です。

インターネットを使っているサービスという性質上、不正アクセスによる情報漏えいリスクがないとは言い切れないため、定期的なパスワードの変更や、アクセスできる端末を限定するなどの管理も重要になります。

クラウドサービスだから何でも丸投げできるということではなく、運用ルールに関しては、社内でのルールづくりも必要です。

メリット、デメリットを把握した上で、クラウドサービスを選定・導入しましょう!

このように、クラウドサービスを導入する際のメリット・デメリットは、表裏一体の面も持ち合わせています。

便利なサービス形態であり、今後も利用企業が増えることには間違いありませんが、必要な機能と利用範囲を的確に見極めていくことが、結果として失敗のないクラウドサービスの導入と運用につながります。

流行りだからとか、他社も使っているからという理由だけではなく、自社のパフォーマンス向上につながるように利用していきましょう!

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