もっと背が高ければ…と、思ったことはありますか?
男女とも身長の悩みはつきません……
「西新宿整形外科クリニック」では子供から成人までを対象に低身長の治療をしているため、子供と成人とでは治療方法も全く異なるそうです。まずはガイドが疑問に思っていることを先生に聞いてみました。
院長は気さくで話しやすい印象の飛田健治先生。東京大学医学部附属病院整形外科入局後、日本でも有数の外傷病院で多数の難治骨折の治療を行い、大学の専門診では小児先天性骨系統疾患や成人の病的、外傷後の骨短縮に対する骨延長手術、変形した骨の矯正手術を行ってこられた整形外科のエキスパートです。
Q.どうしてこのクリニックを開院されたのですか?
A.日本の医療制度では、健康な方の身長を伸ばすことは保険適応として認められていません。その為、依頼を受けた全ての患者様を断り続けてきました。 海外で骨延長手術を受けたが失敗し、日本に戻り私たちの元に泣き寝入りしてきた方も多数おります。そのため日本で最先端の治療を取り入れ、身長で困って いる方に対して最高の治療を提供すべく、西新宿整形外科クリニックの開院を決意いたしました。Q. 身長を伸ばす方法はどのようなものがあるのでしょうか?
A. 成長ホルモンの分泌が多い小児期に成長ホルモンの注射を行うことにより身長を伸ばす方法があります。検査により基準に当てはまる場合は保険適応も可 能です。ただし成長ホルモンの分泌が減少する思春期以降は成長ホルモンの注射を行っても効果がないため、成人は骨を延長する外科的な方法しか身長を伸ばすことはできません。Q.小児低身長治療はどのような方が治療に来られますか?
A. 周りの子と比べて自分のお子さんの身長が小さくて気になりだした親御さんがお子さんを連れてきたり、お子さん自身が将来の夢があり、身長が必要な場合に来院されるケースもあります。小児期には成長ホルモンが大事!
小児低身長治療について
日本における小児低身長に対するホルモン治療は、一部の疾患に対して保険が適応されています。しかしその適応範囲はアメリカやヨーロッパと比べると狭く 一部の患者様に限定されます。そのため、西新宿整形外科クリニックでは日本の厚生労働省が定める保険診療とアメリカのFDA(U.S. Food and Drug Administration)が定める適応(保険外治療)の双方から低身長で困っているお子様全てを対象に治療を行っています。
成長ホルモン治療はタイミングが大事
多くの場合、治療を始めて最初の1年間に最も効果が現れ、次第に効果は減弱していきますが、治療を行わない場合よりも良好な成長が得られます。
成長ホルモンは骨のみならず筋肉の成長も促進し、また脂肪を分解する作用があります。治療を始めると食欲が増し、体脂肪が減る効果があります。成長ホルモ ン(ソマトロピン)の入ったカートリッジを専用のホルダーに挿入し取り付けます。針は31ゲージ(0.25 mm)と極めて細く、注射時の痛みもありません。
■成長ホルモン療法の副作用
成長ホルモン補充療法は、本来体内で作られるホルモンを補うものですから、基本的には大きな副作用はほとんどなく、安全性の高い治療法です。ただし、治療を始めてすぐには、一時的に頭痛や発疹がみられることがあります。
■成長ホルモン治療はタイミングが大事!
“身長は遺伝するもの!“ その認識は間違いです。確かに遺伝することは言われていますが、身長を伸ばすことで最も重要なことは、成長ホルモンが分泌 されやすい環境を作ってあげることです。
子供に遺伝する割合は30%程度です。身長を伸ばすためには規則正しい生活ができれば身長を伸ばすことが可能 です。
しかし、成長ホルモンは目に見えるものではないため、正常に分泌されているのか、いないのかわかりません。そのため、子供の身長が低いと感じたら 早期にクリニックへの受診が必要です。治療にはタイミングが重要で、最適な時期を見逃すと手遅れになります。
Q食生活を気遣うことで身長は伸ばせる?
バランスの取れた食事を心がける
1群(タンパク質が豊富な食品)、2群(カルシウムが豊富な食品)が不足すると、身長の伸びが悪くなります。5群(炭水化物が豊富な食品)、6群(脂肪が豊富な食品)が多すぎると肥満になります。
タンパク質が大事
食事は、各種の栄養素をバランスよく食べることが大切ですが、特に大切なのがタンパク質です。タンパク質は骨や筋肉などの材料になります。また、タンパク質には成長ホルモンの分泌を促す作用もあります。ただ必要以上に大量に摂取するのは良くありません。そこで、どの程度必要かを知っておきましょう。
肉や魚が嫌いな子供の場合は、たまご、牛乳、豆類などでタンパク質を取るようにします。肉、魚を食べない菜食主義者でも豆類、たまご、牛乳を十分とっている子供の身長増加は悪くありません。タンパク質を多く含む食品には脂肪も多く含む場合がありますので脂肪の取りすぎにならないように注意が必要です。
成人のタンパク質所要量(必要量)は体重×1.08でだします。子供の所要量は、この式で求めた量より多くなります。つまり、子供は、体の割に多くのタンパク質を必要とします。例えば、牛乳1杯とタマゴ1個でタンパク質12gが摂取でき、この量は、7歳児の1日の必要量の20%にあたります。
クリニックでは上記のような、食生活のアドバイスから実際の治療についてなどを紹介する小児低身長治療のセミナーも行っていますので、興味がある方はクリニックに直接問い合わせを。
次のページでは「成人の低身長治療」をご紹介します。