4. 職能主義から職務主義へ
代表的な事例として、日本を代表する企業である日立製作所は2014年10月に報酬革命を起こしました。人に値段を付ける(=職能主義)のではなく、椅子に値段を付ける(=職務主義)という考え方に移行しました。グローバル企業であれば、「組織は戦略に従う」ことが基本になっています。
その椅子に最も相応しい能力や実績、人間性や人柄を持った方がその椅子に座るのです。国籍は関係ありません。日本IBMの社長の椅子には2014年までドイツ人がその座にいました。グローバル化以前の国際化時代の多国籍企業は封建領主のような治め方だったので考えられないことです。
以上のような働き方のトレンドを掴んだ上で今後のキャリアを考えましょう。
グローバルの本質は繋がること、語学ではない!
東京オリンピックが開催される2020年、このような光景は当たり前になることでしょう。
繋がるためには、根幹にビジョン、中長期的な視点での志を明確に持つことです。それがキャリア開発の推進力になるからです。
次に、自分の定めた領域の中で専門能力を磨き続けることです。サラリーマンの時代はそこそこの専門能力でよかったのですが、今のようなビジネスプロフェッショナルの時代、どこまで深く掘ることができるかが鍵となります。
3流から2流、そして1流から超一流に辿り着くためには最後まで諦めず続けることができるかどうかが問われます。
ノーベル賞を受賞した方しかり、ワールドクラスのアスリートしかりです。この領域まで辿り着いた方々も元々は3流から2流・・・というプロセスを経てきているという事実を確認して下さい。
例えば、地球儀をイメージして下さい。中心のマグマまで一番深く掘った方が地球儀全体をカバーするグローバル人材なのです。異文化適応能力や論理的思考能力や語学力はあくまでも諸外国の方々と円滑なコミュニケーションをとるための表層的な能力です。
一番深く掘れた人材のみ、グローバルで戦うか、日本国内で戦うかを選択できるのです。語学アレルギーの方は表層部分の能力にフォーカスするのではなく、本質の部分で勝負をしていただければ全く問題ないことに気づいていただきたいと考えます。