日本人の約4割が不眠症の疑い
世界的な製薬会社のMSD株式会社が、日本人の不眠に関する意識と事態の調査を行いました。対象は20歳から79歳の男女7,827名です。世界保健機関( WHO )が中心となって作った「アテネ不眠尺度」によると、今回の調査対象者の約4割(38.1%)が「不眠症の疑いがある」、約2割(18.4%)が「不眠症の疑いが少しある」となりました。
これまでの調査では、「寝つきが悪い」「睡眠中に何度も目が覚める」「朝早くに目が覚める」などの不眠症状に悩んでいる割合は、10人のうち3人ほどとされてきました。もしかすると、不眠症やその疑いがある人の数が年々、増えてきているのかもしれません。
不眠があると日中のパフォーマンスが落ちる
不眠は脳と体の働きを悪くします
つまり、不眠症状が強まるほど、日中のパフォーマンスがダウンするということです。
不眠症の疑いがある人で、自分でも不眠症を疑っている人は3人に1人(35.2%)しかおらず、6割以上(64.8%)の人は不眠症を自覚していません。そして、不眠症の自覚症状がある人の約7割(69.0%)が、「医師に相談したことはない」というのも実態です。少なくとも不眠を自覚したら、早めに医療機関を受診されることをお勧めします。
不眠とストレスや生活習慣の関係
不眠症の疑いがある人のうち、ストレスを感じている人は約6割(58.5%)で、疑いがない人(19.5%)の約3倍もいます。そのためか、寝つく前に不安や憂鬱(ゆううつ)、緊張を感じる割合は、不眠症の疑いがあるグループで、不眠症の疑いがないグループの約4倍もあります。一方、不眠症の疑いがある人の約9割が、眠る前にテレビを見たり、スマートフォンを操作したり、寝酒を飲んだりしています。これらの行動は、脳を刺激してますます眠られなくなるので、不眠のあるなしにかかわらず控えたほうが良いでしょう。
【関連サイト】
MSD 不眠に関する意識と実態調査を実施
世界標準の快眠度チェックリストで、睡眠の質を測ろう