1月 スーパーカーは日常と非日常の“二律背反”を目指す
仕事初めから、ついていた。2014年の初仕事としてステアリングホイールを握ったのは、日本に上陸なったばかりの、新型パガーニだったのだ。雪解け水でハーフウェット状態の箱根ターンパイクを、新車のウアイラで走った。お値段2億円弱、日本上陸一号車、ということで、むちゃくちゃ緊張したけれども、その乗りやすさと異次元のパフォーマンスに驚き、なるほどスーパーカーはこれから、日常と非日常の“二律背反”を目指していくのだな、と、深くナットク。
さい先のいいスタートを切った2014年1月。その他に印象に残った輸入車は、レンジスポーツ、アウディA3セダン、そしてルノーキャプチャーだ。特にキャプチャーの仕上がりには驚かされた。ベースとなったルーテシアもよかったが、車高を上げてさらに良くなった。キュートなデザインに上等なライドフィール、プライベート用に真剣に欲しいと検討したくらいだ(結局、欲しい色を買えずに断念。色って大事だよね!)。
2月 雪道でスーパーカーを振り回す
2月の出来事で、思い出深いのは、北海道の雪上&氷上試乗会でランボルギーニ アヴェンタドールを振り回せたこと。4WDのスーパーカーゆえ、ドリフトモードに持ち込むためには、通常のFR車とは違う作法が必要だ。もっとも、コツさえ掴めば簡単。要は、やや外向きに走り出し内に切ってアクセルオン→逆ハンでアクセルオフ→内に切ってオン→逆でオフ、をリズミカルに繰り返すだけ。いやぁ~、楽しかった。スーパーカーで雪道、リアルな世界ではナンセンスな組み合わせかもしれないけれど、比較的低い速度域において、そのクルマに特徴的な挙動の全てを体験できるという意味では、非常に貴重な機会だった。ランボルギーニでは、このような体験プラグラムを今後も世界中で積極的に展開する予定だという。
3月 メルセデス・ベンツCクラスに感動。BMW i3に驚き
月初、ジュネーブショーの取材に合わせて初めて触ったメルセデス・ベンツCクラスに感動した、のも束の間、戻った日本では屋久島でのBMW i3試乗会が待ち受けていた。新ブランドを興して、電動化に取り組むBMWの挑戦。EVということで、BMW=エンジンが楽しいというイメージをどこまで払拭できているのかに注目したわけだが、これがしっかりビーエムしていたので驚かされた。文句ナシに楽しい。EVであっても、否、EVだからこそ実現できるドライビングファンがあったのだな、と感心することしきり。この時点ではやくも、2014年のナンバー1候補はCクラスかi3のどちらかだと思ったものだ。
新型シボレーコルベットに日本で初めて乗ったのも3月だった。その完成度の高さに度肝を抜かれた。Z51パッケージの絶対的なパフォーマンスは既に旧型Z06レベルに達しており、名実ともに世界第一級のスポーツカーとなっていたからだ。
コルベットは、初代C1、そしてC2スティングレイ時代、スポーツカーのグローバルプレーヤーだった。その後、オイルショックで骨抜きになり、しばらく“アメリカ人のためだけのスポーツカー”の座に甘んじていたが、旧型のZ06やZR1でいきなり世界レベルの性能を獲得した。そして、C7へのモデルチェンジで、ノーマルモデルにもアルミボディを採用するなど、いっきにステータスを上げてきたのだ。15年に日本上陸予定の高性能モデル・Z06も楽しみ!
プラベートな話で恐縮だけれども、1970年型フィアット500改が納車されたのも3月のことだ。クルマの基本をもういちど楽しもう! 、をテーマに、プライベートカーも古いチンクで再出発してみた、というわけ。心と身体のリハビリには、もってこいのクルマだ。