家事時間については、多くの統計が取られています。たとえばP&Gが2009年に行った調査では、1日平均4時間24分。共働き世帯になると労働時間が増えることで家事時間は減り、国民生活白書では仕事を持つ主婦の家事時間は3時間36分となっています。

さて、では1日の家事は、3~4時間あればすべて済むのでしょうか。もしそうであるなら、睡眠時間6時間程度を除いた15時間は、自由時間として使えるはずです。それなのになぜ、多くの人が「自分の時間がない」と嘆いているのでしょう。

「頭が家事をする時間」がある

目に入るだけで、頭が家事を始めることがありませんか?

目に入るだけで、頭が家事を始めることがありませんか?

たとえば、主婦が1日に行う「洗いもの」の時間は、合計すると平均20分程度なのだそうです。食後の皿洗いは負担が大きいと感じがちですが、実際には20分。たった20分を面倒がるなんて……と考える人も中にはいるかもしれません。

でも、実際に家事を続けてきた人ならわかるはずです。家事には、実際に体を動かしている時間のほかに、「頭が家事をしている」時間が存在するのです。私はこれを、家事のインナータイムと呼んでいます。たとえばこんな時間です。
  • シンクに溜まっていくお皿を目にして、早く洗わなくちゃと考える
  • ソファの上に山積みになった洗濯物を見て、早くたたまなくちゃと考える
  • たまっていく埃を見て、そうじきをかけなくちゃと考える
  • 明日来客があるから片付けなくちゃ! とあせる
  • 子どもの弁当を作るのに明日は5時起きしなくちゃ、と考えて眠りにつく
  • そろそろ衣替えをしなくちゃいけないけど、クロゼットの収納もなんとかしないと……なんてことを考える
まだまだ、いっぱりありますよね! 家事は次から次へとささやかな「やるべきこと」が用意されています。仕事と違って、全体を采配して指示を出してくれる人はいません。すべて自分の中で処理しなくてはいけないことに24時間とらわれてしまうと、常に「頭が家事をしてしまう」のです。

「時短」のアイデアをあれこれ試して、家事そのものの時間を短縮できたとしても、家事のインナータイムを短縮して、そこから自由になれなければ、気持ちのゆとり感は生まれません。時短を考える際に、一番大事なのはここだと私は思っています。つまり

“家事のインナータイムを軽減して、気持ちの切り替えをはかる”

ことが、家事の時短発想ではとても大切なことなのです。