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マンション管理費の滞納債権を回収する方法(2ページ目)

管理費等の滞納問題は早めの解決が何より大切ですが、それが長期間に及んだ場合には、法的手段を取らざるを得ません。滞納債権の回収について基本となる法的手段と、滞納期間中に起こりうるケースへの対応方法をご紹介します。

村上 智史

執筆者:村上 智史

マンション管理士ガイド


こんな場合はどうする?

滞納債権回収に際して起こりうるケースへの対応についてご案内します。

1) 滞納者がマンションを転売した場合
区分所有者が滞納したままマンションを転売した場合、滞納者の特定承継人(購入者、競落人などの譲受人)に対して滞納管理費等を請求できます。(区分所有法 第8条参照)
(特定承継人の責任)
第八条  前条(※第七条の先取特権)第一項に規定する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる。
2) 滞納者が破産した場合
区分所有者が破産した場合、破産手続以前に生じていた滞納管理費は、破産申立てが確定すると破産債権となり、原則として免責されるため、管理組合は請求できなくなります。

ただし、破産手続き開始日以後に発生した滞納管理費については免責されず請求できるので、要注意です。

3) 滞納者が死亡した場合
相続人は、被相続人である区分所有者の財産に属する一切の権利を承継するため、居住の有無にかかわらず、滞納債権を請求することができます。

ただし、相続を放棄した場合、その相続に関しては初めから相続人とならなかったものとみなされるため、請求できません。

滞納債権回収のための法的措置はいくつもの選択肢がありますが、専門知識のない管理組合が自力で最適な方法を選択し実行するのは容易ではありません。マンション管理士が状況に応じて解決の道筋を管理組合に示し、サポートすることで早期回収に貢献することが求められます。


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