冬季はビタミンDが不足しやすい季節です。寒さもそれほどではない、良く晴れた日ならば、なるべく外に出て、ビタミンDを体内に産生させましょう!
なかでも、日照時間が短いことは、冬季うつ病の原因となります。また、ビタミンDの不足がこの時期に起きやすい事も、是非知っておきたいものです。
今回はビタミンDがなぜ冬季に不足しやすいのか、そして、不足した時に現れやすい不調を詳しく解説します。
ビタミンDは皮膚で作られる
ビタミン類はビタミンCのように食べ物から取り入れる必要があるものが大部分です。しかし、ビタミンDは体内で産生できる、いわば自給自足が可能なビタミンです。それには日光、特に紫外線が必要で、皮膚に紫外線があたることによってビタミンDが作られます。そのため、日照時間が短くなると、体内でのビタミンDの産生は不足しやすくなります。ビタミンDはカルシウムの代謝に重要な役割を果たしています。もし不足すれば、その程度によっては骨が弱くなる、あるいは変形する、いわゆる「くる病」になる可能性もあります。通常はそこまで不足することはないでしょうが、極端に日照時間が短い、あるいは栄養状態が悪い、さらには医学的な問題などが重なる事で、体内のビタミンDが極端に低下してしまうことも考えられます。
また、ビタミンDはカルシウム代謝だけでなく、免疫系などにも作用があるといわれており、不足すれば、免疫力の低下から風邪を引きやすくなる可能性もあるほか、メンタル面でも気持ちの落ちこみなどに関連があるといわれています。
北欧の国々ではビタミンDの補強が推奨されています
ビタミンDの不足が「くる病」を発症するほど極端ではないものの、かなり深刻な場合、実際にどのような心身の不調に結び付きやすいかに関しては、次のようなことがいわれています。- 骨粗しょう症のリスクを高める
- 気持ちの落ち込みなどメンタルの不調につながりやすい
- 免疫力が低下する
- 発がんリスクを高める
しかし、ビタミンDは体内で幅広い生理作用がある以上、深刻に不足すれば、さまざまな問題が生じる可能性がある事自体は間違いないと思います。実際、地理的条件から冬季、極端に日照時間が短くなる北欧の国々ではビタミンDの補強が推奨されています。なかでもフィンランドでは、ミルクなど一部の食品にビタミンDの補充を法律で義務付けており、いわば国を挙げてビタミンDの補強を推進しています。
冬季、心身の調子が悪くなる人はビタミンDの補充も考慮してみて!
季節ごとに心身の調子は異なるものですが、特に冬は調子が落ちてしまう人がいらっしゃると思います。季節が変わり仕事の量が増えた、などの生活環境に要因があるかもしれませんが、ビタミンDが不足している可能性にも是非注意したいところです。先述したとおり、ビタミンDは紫外線が肌にあたることによって産生されます。太陽による自分の影が身長より長くなっている時間帯や季節では、太陽光が大気圏に入射する角度の関係で、太陽光に紫外線が充分含まれておらず、ビタミンDの産生効率はかなり落ちます。そのため北欧の国々では地理的条件から冬季、太陽光を浴びて体内でビタミンDを充分産生することは、不可能に近くなっています。
ビタミンDが多く含まれる食品は限られています。主に魚で、特にその油脂に含まれています。また、きくらげにも比較的多く含まれていますが、こうした食品を通じて充分なビタミンDを取り入れるのはなかなか難しいかもしれません。
また、紫外線は肌にダメージを与える可能性もありますし、ビタミンDの補充として、サプリメントを選択したい方も少なくないと思います。その際、ご注意していただきたい事は過剰摂取のリスクです。
ビタミンDに限らず、サプリメントを使用する際、その量があるレベルを超えれば、心身に何らかのダメージを与える可能性があります。また、治療薬を常用している、あるいは医学的な問題があるような場合、サプリメントの摂取がネガティブな相互作用を引き起こす可能性もあります。その際は是非、主治医にサプリメントの使用に問題がないかを伺ってみてください。
では最後に繰り返しますが、冬季はビタミンDが不足しやすいです。良く晴れた日には寒さに負けず外に出て、ビタミンDを産生させていきませんか?
■関連記事
「現代人が不足するビタミンD」
「インフルエンザ・風邪予防にビタミンD」