空き缶とヤカンで本格パン! キャンプでのワザありの一品
空き缶とヤカンで本格パン! キャンプでのワザありの一品
僕がキャンプでパンを焼き始めたのは今から27、8年以上も前のこと。コールマン社のキャンプ用フォールディングオーブン(折りたたみ式)を使って本格的なパンを手間ひまかけて焼き、澄んだ青空の下でいただく、そんな贅沢を存分に楽しんできました。そして近年は、もっと手軽においしいパンを焼く方法をいろいろと模索中です。フライパンや中華鍋を使ったり、ホットケーキミックスを使ったり、様々な試行錯誤を繰り返していたわけですが、今回ご紹介する方法はまさに画期的。本格的なパンがオーブンを使わずにできちゃうんです!
用意するものはヤカンとレンガと空き缶、たったそれだけ?
用意するものはヤカン、そしてレンガ。あとは空き缶です。秘密はこのレンガ。ヤカンの中で熱くなったレンガがまるで石釜のように柔らかく熱をまわしてくれるのです。しかも、びっくりするのはまだ早い。パンといえば生地を一生懸命こねるイメージがありますが、今回の作り方では生地はまったくこねないのです。
イタリアではクリスマスに大切な人にパネトーネを贈ります
作り方に入る前に今回ご紹介するパネトーネについて説明します。パネトーネはイタリアの伝統的なパンで、クリスマスの時期になるとパネトーネを焼いて親しい友人たちに配るのが習わし。レーズンやドライフツーツ、ナッツをぎっしりと混ぜ込んで「パネトーネ」という特殊なイースト焼き上げます。これは仔牛の小腸から採れるものなのですが、なかなか日本では手に入りづらいので今回は一般的なドライイーストで代用しています。なのでパネトーネ“風”なのです。
こねないから簡単! 生地の発酵もほったらかし!
ではさっそくヤカンと空き缶でつくるパネトーネ風パンをつくってみましょう。<下準備> アルミ缶は中身をよく洗って高さ半分くらいにナイフでカットする。切る目印としてマスキングテープなどをぐるっと貼ておくと簡単。切り口が鋭くなって危険なのでやすりなどでならして、もう一度洗う。
ヤカンは空焚きになるのでこげても惜しくないものを。またパンの出し入れがしやすいように口の広いものが便利。レンガは軽く洗ってヤカンの中に入れておきましょう。
<材料(空き缶3個分)>
強力粉:200g
リンゴジュース:140cc(冷たくしておく)
砂糖:大さじ1
塩:ひとつまみ
サラダ油:大さじ1
ドライイースト:3g
クルミ(粗く刻む):大さじ1
レーズン:大さじ1
好みのスパイス(今回はシナモン、カルダモン。なくてもよい):少し
<つくり方>
【1】ボウルにクルミとレーズン、スパイス以外の材料をすべて入れて菜箸などで混ぜる。まとまってきたらクルミとレーズンさらにスパイスも入れて混ぜて、ボウルごとレジ袋などで覆ってできるだけ温かい場所においておく。
【2】生地が倍くらいに膨らんだら(今回は日当りのいい場所で4時間くらい)、生地を空き缶の高さ半分くらいになるまで入れる。空き缶をふたたびレジ袋などで覆ってふたたび発酵させる。
【3】缶から生地があふれるくらいに膨らんできたら、ヤカンの中にいれたレンガの上に缶を置いて火にかける。中火にして20分。ときどきフタを開けて焼け具合を確認する。上の方が先に焦げ色がついてくるが、側面と底面はまだ焼けていないので弱火にしてさらに5~10分ほど火にかけたら火をとめる。そのまま余熱で10分ほどおいておく。レンガが温まっているのでじっくりと中まで火が通ります(上面が焦げ付きそうならアルミホイルをかけましょう)。
【4】粗熱をとったら型から外す
<上手に焼くためのポイント> ■粉は季節や天気、そして加える水分の温度によってもまとまり方が変わります。今回はざっとまとめてこんな感じに。水分は少しずつ加えて調整してみてください。
■フタはときどき開けても大丈夫。もし、パンがまだしっとりしていて焼けが足りないようなら再び空き缶に戻して、もう少し火にかけてみてください。 上手く焼けていると、空き缶からパンがぽこっと外れます。
型から外すとキノコのようなフォルムがかわいい、クリスマスにぴったりの一品。リンゴジュースとレーズンが醸す果実のフレーバーがとってもリッチ。
ぜひ試してみてくださいね!!
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