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J-POPのジャズメンおススメ三選 昭和編

1980年代に生まれたJ-POPという呼称。それまでニューミュージックと呼ばれていたジャンルが普通の歌謡曲との違いを表明したものです。洋楽に負けない日本発のおしゃれな音楽を目指したJ-POPには、多くのジャズメンがサイドメンとして参加しています。今回は、その中でもJ-POPの黎明期、昭和のJ-POPに参加したジャズメンをご紹介します。

大須賀 進

執筆者:大須賀 進

ジャズガイド

ジャズが生まれて約百二十年、多くのジャズメンがポピュラー音楽シーンでも活躍してきました。日本発のJ-POPにも、ジャズメンは多く登場します。その中でも、特にJ-POP黎明期、ニューミュージックと呼ばれていた頃の名演をご紹介します。

まずは、J-POPを代表するこの人、荒井由実(松任谷由実)のヒット曲からです。
 

荒井由実 「ひこうき雲」より「きっと言える」テナーサックスソロ 西条 孝之介 

 

ひこうき雲

ひこうき雲

この「きっと言える」は、荒井由実(現在は松任谷由実、ユーミン)のデビューアルバム「ひこうき雲」からの一曲。

ユーミンと言えば、J-POP黎明期にサザン・オールスターズとともにJ-POPをけん引した大スター。この曲はそんな中でも、ヒット曲とは言えませんが、名曲であることは間違いがありません。

ユーミンの音楽には当時の日本の第一級のアレンジャーやスタジオミュージシャンが参加しています。その中でもジャズファンをもうならせるテナーソロを聴かせてくれるのが、ベテランジャズメンの西条孝之介です。

西条は、「日本のスタン・ゲッツ」と言われた日本を代表するテナーマン。ここでも、ジャズメンの面目躍如な、ウォームでなおかつスリリングなテナーソロを聴かせてくれます。西条のソロは、ジャズそのものなのに、トータルでのサウンドはまさにユーミンの世界観に彩られています。

これは、ユーミンはもちろんですが、西条のセンスが、J-POPにもマッチしているということです。西条のプレイは、あくまでもユーミンの音楽をサポートし、控えめでありながらも、十分に存在感を示した大人のジャズメンの力量を示したものです。

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その西条の、ジャズでの代表作がコチラ。
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「ウェスト・エイス・ストリート・オン・キャッスル・アヴェニュー」


三作品あるシリーズでVol.1にあたるこのCDは、全曲西条の実力を知らしめるのに、十分な内容になっています。特に一曲目の「アイム・グラッド・ゼア・イズ・ユー」は西条の持ち味を生かした名演です。

西条の持ち味は、スタン・ゲッツズート・シムズなどに通じる趣味の良い流れるようなメロディラインです。クール派とも称されるスタイルですが、時にウォームな印象を与え、聴く者をほっとさせる良質な大人のジャズです。

次のページでは、誰もが知っているアメリカの有名アルトプレイヤー参加作品が登場します!

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