2014年11月7日、遂に「Office for iPad」の日本語版が利用できるようになりました。「Office for iPad」は、iOS端末向けに開発されたマイクロソフト純正のアプリで、パソコンで広く使われている「Microsoft Office」のiPad版です。
 
海外ではすでに3月に公開されていましたが、今回は日本語版の「Word for iPad」「Excel for iPad」「PowerPoint for iPad」の3つのアプリがリリースされました。


<ipadでパワーポイント「PowerPoint for iPad」 目次>  

iPadのパワーポイントは無料でダウンロードできる    

3つのアプリは、iPadの他のアプリと同様に「App Store」から個別にダウンロードできます。特筆すべきは、「Office for iPad」の3つのアプリを無料でダウンロードして使えることです。

私自身、日本語版の「Office for iPad」を待ち望んでいたひとりなので、リリース日に早速ダウンローして使ってみました。
 
Apps Store画面で「Office for iPad」のキーワードで検索し、アプリをダウンロードする。

Apps Store画面で「Office for iPad」のキーワードで検索し、アプリをダウンロードする。

 
ダウンロードが完了すると、iPadのホーム画面にアイコンが表示される。

ダウンロードが完了すると、iPadのホーム画面にアイコンが表示される。


iPadのホーム画面にあるアイコンをタップして「Office for iPad」のいずれかを起動すると、マイクロソフトアカウントのサインインの画面が表示されます。取得済みのマイクロソフトアカウントを入力すると、文字の入力や編集、画像の挿入と言った基本的な編集機能が利用できます。

マイクロソフトアカウントを取得していなくてもファイルを閲覧することだけはできますが、「Office for iPad」を使うのであれば、マイクロソフト社のWebサイトでマイクロソフトアカウントを取得することをお勧めします。

ただし、一部の機能は有料のプレミアム版を契約しないと利用できないので注意しましょう。
 

「PowerPoint for iPad」で使える機能

早速、「PowerPoint for iPad」の無料版で使える機能をチェックしてみましょう。

「Word for iPad」「Excel for iPad」と大きく違うのは、「PowerPoint for iPad」はiPadを横置きでしか使えないことです。スライドが横長であることを考えると自然ですが、最初は何度もiPadを縦にして、スライドが自動的に回転しないものかを確認してしまったほどです。
 
PowerPoint2013で作成したスライドを「PowerPoint for iPad」で開いた状態。iPadを常に横置きで使うのが特徴だ。

PowerPoint2013で作成したスライドを「PowerPoint for iPad」で開いた状態。iPadを常に横置きで使うのが特徴だ。


「PowerPoint for iPad」に用意されているタブは「ホーム」「挿入」「デザイン」「画面切り替え」「アニメーション」「スライドショー」「校閲」の7つです。
 
「ホーム」タブ。新しいスライドを追加したり、文字に書式を付ける機能が並んでいる。

「ホーム」タブ。新しいスライドを追加したり、文字に書式を付ける機能が並んでいる。
 

「挿入」タブ。表や画像や図形は挿入できるが、グラフやSmartArtの機能は見当たらない。

「挿入」タブ。表や画像や図形は挿入できるが、グラフやSmartArtの機能は見当たらない。

「デザイン」タブ。スライドに適用するテーマや背景を選べる。

「デザイン」タブ。スライドに適用するテーマや背景を選べる。

 
「画面切り替え」タブ。スライドショーでスライドを切り替える際の動きを設定する。

「画面切り替え」タブ。スライドショーでスライドを切り替える際の動きを設定する。

 
「アニメーション」タブ。「開始」「強調」「終了」の3つのアニメーションを設定できる。「軌跡」のアニメーションは見当たらない。

「アニメーション」タブ。「開始」「強調」「終了」の3つのアニメーションを設定できる。「軌跡」のアニメーションは見当たらない。

 
「スライドショー」タブ。「発表者ツール」はプレミアム版のみで使える。

「スライドショー」タブ。「発表者ツール」はプレミアム版のみで使える。

 
「校閲」タブ。コメントの表示/非表示を切り替えられる。

「校閲」タブ。コメントの表示/非表示を切り替えられる。


「表示」タブがないので、スライド一覧表示モードに切り替えたり、スライドマスターを使ってスライド全体の書式を一括変更することができません。

本家のPowerPoint2013に比べると、タブ内のボタンの数が少なくて利用できない機能もありますが、外出先でスライドを修正したり、iPad画面でプレゼンテーションを行うには必要最小限の機能が用意されています。

個人的には、スライド全体の書式を管理する「スライドマスター」は、移動中や外出先でのスライド修正を効率よく行うためにも是非入れて欲しかった機能です。
 

「PowerPoint for iPad」での文字の入力方法    

「PowerPoint for iPad」で最初に戸惑うのが文字入力ではないでしょうか。スライドに文字を入力するには、プレースホルダー内をダブルタップします。
 
「ダブルタップしてタイトルを入力」や「ダブルタップしてテキストを入力」の枠内をダブルタップして文字を入力する。

「ダブルタップしてタイトルを入力」や「ダブルタップしてテキストを入力」の枠内をダブルタップして文字を入力する。


すると、iPadの画面下半分にキーボードが表示され、文字を入力できます。キーボードが大きくてライドが半分以上隠れてしまうため、少々使いづらい印象がありますが、作成済みのスライドを修正する程度であればそれほど苦にならないでしょう。
 
キーボードが表示されたら、キーをタップして文字を入力する。キーボード右下のアイコンをタップするとキーボードが非表示になる。

キーボードが表示されたら、キーをタップして文字を入力する。キーボード右下のアイコンをタップするとキーボードが非表示になる。


「Office for iPad」全般に言えることですが、限られた画面スペースとタップ操作で、いちから複雑な文書を作成するのは、Ofiiceソフトの操作に慣れた人でも時間がかかりそうです。

「Office for iPad」は、移動中や外出先で下書きを作成しておくとか、作成済みの文書を修正するといった使い方が適してるように思います。
 

充実したアニメーション機能

本家のPowerPoint2013と遜色なく使えるのが、「画面切り替え」や「アニメーション」です。「画面切り替え」タブと「アニメーション」タブに用意されている動きは本家のPowerPoint2013とほぼ同じ。一覧から目的の動きをタップするだけでOKです。
 
「画面切り替え」タブに用意されている画面切り替え効果の一覧。PowerPoint2013とほぼ同じ種類が利用できる。

「画面切り替え」タブに用意されている画面切り替え効果の一覧。PowerPoint2013とほぼ同じ種類が利用できる。

「PowerPoint for iPad」では、アニメーションを単独で使うのが基本だ。

「PowerPoint for iPad」では、アニメーションを単独で使うのが基本だ。

ただし、1つのオブジェクトに複数のアニメーションを組み合わせて設定したり、アニメーションのタイミングや順番を変更するといった詳細な設定はできません。
 

Excelの表やグラフをコピーできる

プレゼン資料に欠かせない表やグラフは、「Excel for iPad」で作成したものをコピー&貼り付けの操作で使いまわせます。そもそも、「PowerPoint for iPad」の「挿入」タブに「グラフ」が用意されていないので、新規にグラフを作成することはできないのです。

コピー元やコピー先をタップもしくは長押しすると、黒いメニューが表示されるので、ここから「コピー」や「貼り付け」を選びます。
 
「Excel for iPad」のグラフをコピーしてスライドに貼り付けたところ。「コピー」や「貼り付け」は「ホーム」タブにないので、タップしたときに表示されるメニューを使う。

「Excel for iPad」のグラフをコピーしてスライドに貼り付けたところ。「コピー」や「貼り付け」は「ホーム」タブにないので、タップしたときに表示されるメニューを使う。


普段、ショートカットキーの「Ctrl」+「C」や「Ctrl」+「V」でコピーや貼り付けの操作を行っている方は、どうやってコピーすればいいのか最初は戸惑う操作かもしれません。同様に文字のコピーや移動なども、黒いメニューを使って操作します。
 

画像はカメラロールから

スライドに写真を挿入するときは、「挿入」タブの「画像」をタップします。すると、カメラロールの中から画像を選ぶメニューが表示されます。必要な画像はあらかじめ、カメラロールに保存しておきましょう。

スライドに挿入した画像をクリックしたときに表示される「図」タブを使うと、画像のまわりに枠を付けたり、トリミングするといった編集機能も利用できます。
 
画像の編集機能も充実している。「図」タブは、画像を選択したときだけに表示される。

画像の編集機能も充実している。「図」タブは、画像を選択したときだけに表示される。


残念なのは、マイクロソフトが無料で提供している「クリップアート」のイラストや、プレゼン資料に欠かせない図表を作成する「SmartArt」が利用できない点です。「PowerPoint for iPad」でイラストや図表を挿入することはできませんが、作成済みのスライドにあるイラストや図表は「PowerPoint for iPad」でもそのまま表示できます。
 

使い勝手のよいスライドショー

「PowerPoint for iPad」が一番便利だと実感するのは、「スライドショー」タブの「最初から」をタップしてスライドショーを実行したときです。対面形式のプレゼンであれば、iPadで十分です。

スライドショーでは、iPadの画面を左にスワイプしてスライドを切り替えます。設定したアニメーションも忠実に再現できます。
 
スライドショーを実行すると、設定済みの画面切り替え効果を再生しながら、スライドが大きく表示される。

スライドショーを実行すると、設定済みの画面切り替え効果を再生しながら、スライドが大きく表示される。

スライドショーで、画面を右から左にスワイプすると・・・

スライドショーで、画面を右から左にスワイプすると・・・

次のスライドに切り替わる。

次のスライドに切り替わる。

スライドショー実行中に画面をタップすると、上部にメニューが表示され、ペンの機能や一時的に画面を黒くする機能も利用できます。「発表者ツール」はプレミアム版で提供しています。
ペンをタッチして、スライド上を指でドラッグして印を付けることができる。

ペンをタッチして、スライド上を指でドラッグして印を付けることができる。

 

ファイル操作はバックステージ画面で行う

「PowerPoint for iPad」のファイル操作も必見です。保存場所にはiPadだけでなく、マイクロソフトが提供しているWeb上の保存スペースである「One Drive」「Dropbox」も選択できます。Web上に保存したデータを外出先で自由に開けるというわけです。

また、初期設定では自動保存が選ばれているので、保存の操作を行わなくても常に最新の状態が保存される仕組みです。
 
ファイルメニューを表示すると、保存や印刷のメニューが表示される。

ファイルメニューを表示すると、保存や印刷のメニューが表示される。


ファイルを開いたり新規にスライドを作成するときは、「PowerPoint for iPad」の左上のアイコンをタップしてバックステージ画面を開きます。
 
バックステージ画面には、スライドの新規作成やファイルを開くメニューなどが用意されている。

バックステージ画面には、スライドの新規作成やファイルを開くメニューなどが用意されている。

 

総評「PowerPoint for iPad」は”使える!

「PowerPoint for iPad」は、スライドの修正やスライドショーを中心とした使い方をするのであれば、無料版でも十分に”使える”アプリです。外出先でプレゼンすることの多い方にとっては強力な相棒になるでしょう。

一方、iPadでいちからスライドを作りこむ操作が中心の場合は、プレミアム版に切り替えるといったように、用途に合わせて「PowerPoint for iPad」を使い分けるといいでしょう。

なお、無料版の「PowerPoint for iPad」で使えない機能をタップすると、以下の画面のようなメッセージが表示されます。
無料版で使えない機能を選択したときに表示される。

無料版で使えない機能を選択したときに表示される。


有料のプレミアム版に切り替えるには、バックステージ画面の左下にある「プレミアムに変更」をタップして、画面に表示される指示に従って手続きを進めます。
後からプレミアム版にアップグレードできる。

後からプレミアム版にアップグレードできる。


今回リリースされた3つのアプリの中で「PowerPoint for iPad」が最もiPadの操作性を生かしたアプリと言えるでしょう。まずは、無料版の「PowerPoint for iPad」を使って操作を実感してみてください。プレミアム版に変更するのは後からでも十分です。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※OSやアプリ、ソフトのバージョンによっては画面表示、操作方法が異なる可能性があります。