今回は、白ワイン用ブドウ品種の中から有名な3種類を中心に、その他の人気があるブドウ品種を解説します。
 

シャルドネ

ブルゴーニュ・ブランも白ワイン用ブドウ品種「シャルドネ」100%

フランスのブルゴーニュ地方のスタンダード、ブルゴーニュ・ブランもシャルドネ100%


シャルドネは、白ワイン用品種の中で最も人気の高い品種です。フランスの伝統的な生産地(ブルゴーニュやシャンパーニュ)のように、使用するブドウ品種の制限がある場合は別として、自由がきく産地では(+気候条件が許せば)、多くの産地の生産者がシャルドネのワインを造りたいと考えます。消費者も、やはりシャルドネを飲みたいと思う人がとても多いのが現状です。

シャルドネはフランスだけでなく、イタリア、スペイン、イギリス、東欧、南ア、イスラエル、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、カリフォルニア、チリ、アルゼンチン、中国、そして日本でも栽培されています。では、その魅力とは? 
 
シャンパーニュのブラン・ド・ブランはシャルドネのみ

シャンパーニュのブラン・ド・ブランはシャルドネのみ


ひとつは、色々な意味でとても幅の広いブドウ品種だということ。辛口から少し甘みを感じるタイプまで。シャンパーニュを含めたスパークリングワインもあります。爽やかなレモン・ライム系やリンゴのような果実香りがするものから、パイナップルやマンゴーなどトロピカル系のフルーツの香りがするものまで。フレッシュでタイトなタイプから豊かでリッチなタイプまで、香りや味わいも様々です。

品質のレベルをみても、瓶詰め後になるべく早く消費したほうがよいタイプから、最低10年は待ってから飲むことをお薦めしたいタイプまで。価格にも幅があり1本1000円未満から数十万円まで、いわばピンからキリまで揃っているというわけです。
 
テタンジェのプレステージ、コント・ド・シャンパーニュもシャルドネのみ

テタンジェのプレステージ、コント・ド・シャンパーニュもシャルドネのみ


もうひとつは、シャルドネならだいたい間違いない、という安心感があります。ある一定以上の魅力的な香りがして、なめらかでソフトな口当たりの、飲み心地のよいものが多いこと。
もうひとつは、世界でも最も素晴らしいとされる白ワイン、偉大なブルゴーニュの白ワインがシャルドネだけから造られているために、シャルドネ=いい白ワイン、というイメージがついています。

そして、シャルドネは樽との相性がよいため、樽によってもたらされる香ばしさやまろやかさなどが好印象として残っている人々が多いのも事実です。造り手にとっても、日本酒でいう山田錦のようにいいものを造りやすい品種なのかもしれません。

 

ソーヴィニヨン・ブラン

 これはニュージーランドのフルーティーなソーヴィニヨン・ブラン

 これはニュージーランドのフルーティーなソーヴィニヨン・ブラン


ソーヴィニヨン・ブランは名前が示す通り、赤ワイン用ブドウ品種のカベルネ・ソーヴィニヨンと関連があります。カベルネ・ソーヴィニヨンの親にあたるのが、白ブドウのソーヴィニヨン・ブランと黒ブドウのカベルネ・フランです。だから、ソーヴィニヨン・ブランは、単に「ソーヴィニヨン」とだけ呼ばれることも多いのです。

主にフランスのボルドーやロワールで栽培されてきた品種ですが、最近ではニュージーランドで大成功しています。他にも、イタリア、ハンガリー、アメリカ(カリフォルニア)、オーストラリア、チリ(カサブランカ・ヴァレー/レイダ・ヴァレー)、アルゼンチン、南アフリカ、そしてやはり日本でも栽培が盛んになってきています。

涼しい産地では、ハーブや柑橘類(レモン、グレープフルーツ、オレンジ、柚子)の香りが豊かで酸がきれいなタイプが多く、温かい産地ではパッションフルーツやマンゴーなど南国の果実の香りがして味わいもふっくらしたタイプになります。

基本的には単一品種のワインが多いですが、ボルドーではセミヨンなどとブレンドすることもあります。また、ピュアな個性を全面に出すタイプから、樽発酵・樽熟成などによって複雑性を追求するタイプまで様々あります。前者はハーブや柑橘類からパッションフルーツ、後者はスパイスや香ばしい香りがします。
 

リースリング

 右からドイツ、ハンガリー、オーストラリアのリースリング

 右からドイツ、ハンガリー、オーストラリアのリースリング


リースリングは、とても長寿なワインを造れる貴品種として知られています。ドイツの極甘口リースリングなど、何十年という時を経た後でも美しい姿を見せてくれます。でも甘口ワインだけでなく、もちろん辛口ワインもたくさんあり、味わいの幅がとても広い品種です。

ドイツ、フランスのアルザス、オーストリアに続いて、イタリアやスペインでも栽培されていますし、オーストラリアやニュージーランド、カナダ、アメリカでも人気のある品種です。

桃や青リンゴ、カリンや柑橘類の果皮などのフルーツの香りから、スパイスや鉱物質を感じる香り、熟成に従ってハチミツやオイリーさを思われる香り、バタークッキー的な香ばしい香りなどが感じられるようになります。

その他に、特徴的な品種をいくつかご紹介します。

ゲヴュルツトラミネール

スパイシーでライチのような果実の、華やかな香りの白ワインになり、辛口から甘口まで。産地はフランスのアルザスや、北イタリアなど。
 

ピノ・グリ/ピノ・グリージョ

フランスのアルザスではピノ・グリと呼ばれて、厚みのあるリッチなタイプの白ワインに。
北イタリアのフリウリなどではピノ・グリージョと呼ばれ、花や白い果実の香りが華やかな、爽やかな白ワインに。
 

香りが魅力的な品種

フランス、ロワール地方のヴーヴレイは、シュナン・ブラン100%

フランス、ロワール地方のヴーヴレイは、シュナン・ブラン100%


香りがとてもアロマティックで人気のある品種として、南フランスのヴィオニエ、フランスのロワール地方のシュナン・ブラン、北イタリアのピエモンテで栽培されるアルネイス、スペインの西部ガリシアから生まれるアルバリーニョ、アルゼンチンのトロンテスなどがあります。それから、アロマティックとまではいえませんが、白胡椒のようなスパイシーさが心地よいオーストリアのグリューナー・フェルトリーナーも各国で良い評価を得ています。

主な赤ワイン用品種についてのガイドもご参照ください。

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