先が見通せない不確実な時代
Googleでさえもビジネスモデルを変革し、模索し続けなければいけない不確実な時代
Googleが収益をあげるために最初に考えたのは開発した検索エンジンを売ることでした。Googleの検索エンジンはYahoo!に採用されたりしましたが、売上は思ったほど伸びず、やがてオーバーチュアを参考にアドワーズ広告(検索するとキーワードに連動し表示する広告)をスタート。これが大きな収益をあげるようになります。
Googleでさえもビジネスモデルを変革し、模索し続けなければいけない不確実な時代になっています。
※Googleが参考にしたオーバーチュアは2009年にYahoo!と合併し、現在は「Yahoo!プロモーション広告」となっています。
大前提となる企業を取り巻く外部環境が崩れている
エッフェル塔に夏目漱石、秋山真之大尉、広瀬武夫大尉が登る
パリ万博が行われた1900年(明治33年)、日本の人口は4,384万人。それから約100年後、2008年(平成20年)の人口が1億2,809万人となり、2008年をピークに人口が減り始めます。日本の全企業の外部環境は人口が3倍に右肩上がりで増える市場を前提としていましたが、この前提が崩れはじめました。
特に影響を受けるのはマス市場を相手とする大企業。サントリーがアメリカのビーム社などを買収しているのは、国内の縮みゆく市場を相手にしていてはジリ貧なので、外部に市場を求めるためです。
逆にいえばニッチ市場を相手とする中小企業にとってはチャンスです。人口が右肩下がりで減るという外部環境は、どの企業も経験したことがありません。変革力のある中小企業が、いち早く新しいビジネスモデルを作ることができれば勝ち抜けます。
人口は減っているが増えているものもある
NHK「みんなの料理」のレシピは2人前ですが50年前は5人前
一人焼肉専門店、一人旅などの「おひとりさま」マーケット、単身向け小型冷蔵庫など、いろいろな商品やサービスが生まれ始めています。スーパーで売られているお刺身も、2人前パックなどが登場しています。
人口や世帯数の動態は5年ごとに行われる国勢調査で分かります。市町村単位で年齢別人口などが自治体のホームページで公表されていますから、10年先に商圏の人口がどうなるかは、ある程度の予想がつきます。
ドラッカーの言葉に「すでに起こった未来」があります。人口減少や世帯数増加はすでに起こってしまい、もはや元に戻ることのない変化ととらえることができ、「すでに起こった未来」の一つです。