ピロリ菌抑制に効く注目の食品や成分
ピロリ菌抑制に役立つ食品や成分が注目されています
そこでピロリ菌抑制に役立つ食品や成分が注目されています。現在は、ヨーグルトや昆布の粘り成分であるフコイダン、緑茶などが、ヒトレベルの実験で殺菌・減菌力があることが確認されています。
その他にも、ココアや梅、にんにく、わさび等に含まれる成分も、動物研究でピロリ菌減少効果の報告があります。
胃の中で生きる力が強い「LG21」乳酸菌
特に「LG21」という乳酸菌は、ピロリ菌の抑制効果があるという研究成果が多く発表されています。 東海大学の古賀教授は、「LG21」乳酸菌は胃で生き残る力が強く、ピロリ菌の作用を阻止し、胃粘膜の炎症を改善すると突き止めました。抗生物質によるピロリ菌除菌の成功率は70%程度です。除菌失敗の原因は、服薬方法がきちんと守られていなかった場合と、クラリスロマイシンという薬に耐性をもつ菌による場合があると考えられます。「LG21」乳酸菌は、クラリスロマイシン耐性菌にも作用する強い菌であることも見いだされています。
さらに、抗生物質による下痢等の副作用についても、整腸効果のある乳酸菌を摂取することで起こりにくくなると考えられています。こうした乳酸菌とピロリ菌との接触時間を長くするには、ヨーグルトの食品形態が望ましいそうです。
また乳酸菌は、摂取しても体内にずっととどまるわけではなく、体外に排出されるので、食事や間食などのタイミングで、継続的に摂取するとよいでしょう。
今回いくつかの食品をご紹介しましたが、中にはその作用や適切な摂取量が、まだ明確になっていない部分もあります。また有効とされている食品でも、特定の食品だけに偏って摂ることは、よくありません。多様な食品から栄養バランスのとれた食事を心がけながら、利用していきましょう。
胃の不調の原因にはピロリ菌だけでなく、メンタル面でのストレスによって神経性胃炎などになることもあります。胃の機能に関わる自律神経のバランスが崩れることで、胃の働きが悪くなり、痛みやもたれ、食欲不振などの不調をおこします。他にも不規則な生活、寝不足、暴飲暴食、運動不足などの生活習慣の乱れも自律神経に影響しますし、タバコの吸い過ぎも胃腸の血行を悪くします。
胃がきちんと働かなければ、せっかく食べても身体全体に栄養を送ることができません。胃の不調が気になりだしたら、生活習慣を整えて心身をケアするきっかけとしてみてはいかがでしょうか。
参考/
- 日本消化器学会
- 日本ヘリコバクター学会
- 明治
- 村上農園
- わかもと製薬
- その他