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フリーランスの公的年金を補う老後資金の準備方法をご案内します

日本政策金融公庫の調査によると、2014年4月から同年9月までに起業した人の約40%が30代、約30%が40代で、新規開業者の約70%を占めています(日本政策金融公庫「2013年度新規開業実態調査」より)。また、同調査では開業前の職業は会社員だった人が約70%、さらに自らの意思により退職して起業した人は約80%でした。

新規開業者のうち、自分の意思で会社員からフリーランスとなった人が多数を占めているといえるでしょう。会社員とフリーランスでは働き方が異なるだけでなく、リタイア後の公的年金も大きく異なります。フリーランスになったとき、仕事の計画だけでなく、リタイア後も考えた将来設計を立てることも必要です。今回は、フリーランスの公的年金をベースに将来設計を立てるポイントをご案内します。

<INDEX>
フリーランスと会社員の公的年金
フリーランスの上乗せ年金の準備
その他のフリーランスの老後資金準備
 

フリーランスと会社員の公的年金

はじめに、フリーランスと会社員の公的年金の違いをみていきましょう。日本の公的年金制度の特徴の1つに「国民皆年金」があります。原則20歳以上60歳未満で日本に住む人は全員が国民年金に加入しなければなりません。ただし、おもにその人の働き方で加入する制度が異なります。会社員は第2号被保険者として国民年金に加入すると同時に厚生年金に加入し、第2号被保険者に扶養される配偶者は第3号被保険者として国民年金のみに加入します。第2号被保険者・第3号被保険者に該当しないフリーランスや学生は第1号被保険者として国民年金のみに加入します。
公的年金の構造

 

第1号~第3号被保険者の分類を「種別」といい、働き方が変わると種別も変わります。種別が変わっても年金額を計算するときには加入期間が通算され、それに応じた年金が支給されます。例えば、学生時代に第1号被保険者として国民年金に加入し、卒業後会社員になると厚生年金に加入して第2号被保険者に種別が変わります。

種別が変わった場合の老齢年金がどうなるのか、事例を使って確認してみましょう。
【事例】
スズキユウタ(仮名)さん(33歳)は、大学を卒業後、A社に入社しましたが、今年3月で退職し、独立開業しました。法人化の予定はなく、今後はフリーランス(個人事業主)として働き続ける予定です。

スズキさんは20歳から国民年金に加入し、未納期間などはありません。スズキさんの公的年金の加入歴および加入見込みは以下のようになります。
公的年金の加入歴と加入見込み

 

スズキさんの公的年金の加入歴と加入見込みから老齢年金(見込額概算)を計算してみましょう。国民年金の加入期間は60歳までに40年となるので満額の老齢基礎年金77万2,800円(平成26年度額)になります。厚生年金の加入期間は10年、平均標準報酬額が30万円とすると、老齢厚生年金は以下の金額となります。

30万円×5.481/1000×120月=19万7,300円
(平成26年度の本来水準による年金額、100円未満四捨五入)
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(年金額は平成26年度額)

スズキさんが将来受け取る老齢年金は、合計で97万100円、月額では約8万円となります。厚生年金の加入期間があるので老齢厚生年金を受け取れますが、加入期間が10年と短いため、老齢厚生年金の額は少なくなります。