外国人審査員賞受賞チーズ
このチーズアワードのため、本場フランス、そしてアメリカからチーズの生産者さんお2人を迎え、外国人審査員賞を選出していただきました。そして選ばれたのがこちらのチーズたちです。
◆ラクレット(共働学舎新得農場:北海道)
フランス人審査員に最高に美味しいと認められたのは、北海道の共働学舎新得農場の作る「ラクレット」。もともとフランスやスイスの山岳地帯で作られている非加熱圧搾チーズのラクレット。切り口を火にかざして溶かして食べる、あの、ハイジのチーズと言うと分かりやすいかもしれません。そのラクレットを共働学舎で作っているのは、なんと19歳の若者。きちんとした丁寧な仕事の積み重ねで作り上げられるチーズの味には、その丁寧さがちゃんと反映されていたようです。また、今回出品されたチーズの原料となるミルクは、牛た ちが青々とした草をたっぷり食べた夏に搾乳されたもの。その風味豊かなミルクが3か月の熟成を経て、より美味しいラクレットに仕上がったそうです。そうやって、季節感やその土地の個性を大切にしている、日本を代表するチーズ生産者の共働学舎さん。この受賞は、誰もが納得だったでしょう。
なお、共働学舎新得農場さんは、ウォッシュタイプの「酒蔵」が銀賞、そしてハードタイプの「シントコ」が銅賞と、出品した全チーズが賞を受賞されています。
◆カレ・ド・ラヴァンド(三良坂フロマージュ:広島)
アメリカ人審査員の心を掴んだのは、こちらのカレ・ド・ラヴァンド。広島県、三良坂フロマージュのシェーヴルです。
初夏から秋にかけて作られるこのチーズの原料は、新鮮な山羊のミルク。そのミルクを出す山羊たちは、「山地酪農」と呼ばれる放牧スタイルで山間を自由に動き回り、自生している植物をたっぷり食べています。ストレスの無い生活を送る山羊たちのミルクは風味が良く美味。そんな美味しいミルクの風味と鮮度を大切にしながらのチーズ作りでは、熟成中、上に乗せているラベンダーを何度も取り替えて、その香りをチーズに移していきます。
のびのび暮らす三良坂フロマージュの山羊と牛たち。ストレスフリーの山羊たちが出すミルクは、嫌な山羊臭さが全くなくて濃厚。さらに酵素がたっぷり含まれるので、搾乳後すぐに発酵が始まります。そのため、チーズ作りはスピードが重要だそう。(写真提供:三良坂フロマージュ)
三良坂フロマージュさんは、その土地ならではの特徴を最大限に取り入れたチーズ作り、そして家畜たちが健康で幸せである事を大切にしている作り手さん。外国人審査員の方も、そんな丁寧で思いのこもったチーズ作りをこのカレ・ド・ラヴァンドから感じ取ったようです。
なお、三良坂フロマージュさんも、リコッタ・サラータ・インフォルナータ・フレスカが銀賞を、ウォッシュタイプの「じゅくし柿」が銅賞をと、全チーズが賞を受賞されています。
そしていよいよ次はグランプリです!