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日本のお豆腐みたいな「リコッタ」

再び (ri) 煮た (cotta)、つまり「二度煮た」という意味のリコッタ。どうして日本のお豆腐みたいなのかというと……。

かのう かおり

執筆者:かのう かおり

チーズガイド

リコッタの基本データ

原産地:イタリア全土。南イタリアが中心
種類:フレッシュ
原料乳:羊、牛、水牛の乳清。近年のものにはクリームを添加
季節:1年中

リコッタ

リコッタ(Galbani社)

リコッタとは

再び (ri) 煮た (cotta)、つまり「二度煮た」という意味のリコッタ。チーズの生成過程で生じたホエー(乳清)を煮詰めて作ります。ホエーとは、ヨーグルトをかきまぜて少し置いておくと固形部分と液体部分にわかれます。その液体部分と一緒です。一般的にチーズづくりでは、固形部分だけを利用して、ホエーは捨てられてしまいますが、このホエーには乳糖、タンパク質、ミネラルなどたくさんの栄養分が残っています。これを再利用したものがリコッタです。ホエーにミルクを加えて、もう一度加熱すると、ふわふわのおぼろ豆腐のようなものができます。それをすくい取り、水分切ったらおいしいリコッタの完成です。


イタリアで出会ったリコッタ

イタリア北部、バローロ近郊をドライブしているときに、たまたま立ち寄ったチーズ農家。知らなければ通り過ぎてしまうほどの普通の一軒家です。おばあちゃんが出てきて、一般的なお台所に通されました。家庭用冷蔵庫がチーズの冷蔵庫。その中にはさまざまな大きさのたくさんのリコッタ。この出来立てをちょっと食べてみる? と言われて食べさせてもらったところ、そのおいしいことおいしいこと。食べた瞬間からジュワーっと濃くて甘いミルクの味が口いいっぱいに行き渡り、思わず顔がデレー、とゆるみました。


日本のお豆腐みたいなリコッタ

リコッタを皿にだしたところ

リコッタを皿にだしたところ

わりとどこでも手に入りやすいリコッタですが、以前はあまり購入機会がありませんでした。そのままワインと一緒にいただくものではないからです。でも子供が生まれてからは、リコッタは冷蔵庫の中の定番チーズに変わりました。乳脂肪が低めで塩分も控えめなので、離乳食から使えます。お野菜と和えれば味がまろやかになり、嫌いなお野菜も食べれてしまう、魔法の食材。常備しておけばお料理の詰め物にも使えるし、パンにつければバターの代わりに。シンプルにオリーブオイルと胡椒とでもいいし、ハチミツや粉砂糖をかけてもいい。日本のお豆腐のように簡単に食べられて、存在自体もお豆腐のようなリコッタ。

私が主宰するお料理教室でもリコッタをテーマにレッスンをしたことがありますが、製菓材料としての使い道しか知らなかった、という方が多数で、みなさんリコッタのとりこになったようです。


リコッタのペアリング

飲み物:ワイン、コーヒー、紅茶、何にでも。
食べ物:デザート、食事、何にでも。


リコッタが入手できる店舗

<店舗データ>
■「チーズ専門店 アルパージュ」
住所:東京都新宿区神楽坂6-22
TEL:03-5225-3315
地図:Yahoo!地図情報
ホームページ:チーズ専門店 アルパージュ

■フェルミエ
住所:東京都港区愛宕1-5-3 1階 愛宕店
TEL:03-5776-7722(代表)
地図:Yahoo!地図情報
ホームページ:フェルミエ
※他、渋谷店、札幌店

■Cheese on the table
住所:東京都中央区日本橋浜町3-1-1日本マイセラビル1階
TEL:03-5614-6609
アクセス:東京メトロ半蔵門線 水天宮前駅下車
地図:Yahoo!地図情報
ホームページ:Cheese on the table
※他、多数店舗あり
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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