11月1日に東京・渋谷のPARCO劇場で開幕した三谷幸喜氏作・演出の『紫式部ダイアリー』。初日に先駆けて行われた記者会見と公開ゲネプロ(最終舞台稽古)を取材して来ました! 会見の模様&舞台レビューを写真と共にお届けします。

長澤まさみVS斉藤由貴
三谷幸喜が描く2人の女流作家のバトル『紫式部ダイアリー』

 

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(撮影:演劇ガイド 上村由紀子)

『コンフィダント・絆』(2007)、『国民の映画』(2011、2014)、『ホロヴィッツとの対話』(2013)と、海外の芸術家たちを描いた「芸術家三部作」に続き、三谷さんが新作の題材に選んだクリエイターは”作家”。それも平安時代に活躍した紫式部と清少納言と言う事で、出演の長澤まさみさん、斉藤由貴さんが十二単で登場するのかと思いきや、登場したお2人が着ているのはワダエミさんデザインのドレス。そう、本作『紫式部ダイアリー』の舞台は現代なのです。

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(撮影:演劇ガイド 上村由紀子)

三谷作品への出演はこれが初めてとなる紫式部役の長澤まさみさん。1か月に及んだ稽古の感想を聞かれると「今までの経験からコメディーはその場の空気感やノリで出来るものだと思っていましたが、今回そうではないのだと実感しました。気持ちの流れを丁寧に積み重ねていくことで生まれる笑いがあると分かり勉強になりました」とコメント。

「三谷さんの演出は丁寧で嫌になる位細かい」と笑顔で語る長澤さんに「僕、稽古場では”おい三谷”って呼び捨て扱いだったんですよ(笑)。まさかこんなにちゃんと話して頂けるとは」、  「長澤さんはパンキッシュでいつも心をオープンにしている女優さん」と冗談混じりに明るく語る三谷さん。お2人の信頼関係が伝わります。

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(撮影:演劇ガイド 上村由紀子)

1997年にPARCO劇場で上演された『君となら』再演以来、17年振りの三谷作品出演となる清少納言役の斉藤由貴さん。「役者が狙って笑いを取ろうとすると敢えて逆の指示を下さるんです。ゆったりやっていると”テンポよくサラッと”と言われたりして。全体をきっちり俯瞰していらっしゃるのが凄いです」とふんわりした口調でコメント。

実はこの企画、女性の2人芝居をやるところまでは決まっていて、長澤さんの相手役を誰にしようか考えていた三谷さんが久しぶりにテレビの音楽番組で斉藤さんと再会。そこで「卒業」を歌う斉藤さんの姿を見て”彼女しかいない”と即座にオファーしたそうです(2013年のFNS歌謡祭で三谷さんがAKB48の『Beginner』を歌ったアノ時ですね)。 長澤さんと斉藤さんの事務所が同じだったのも偶然だったとか。

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(撮影:演劇ガイド 上村由紀子)


今回、作家という題材を選んだ事に付いて記者から質問が飛ぶと「いつかは自分に近い人物を描いてみたいと思っていたが、生々しくなるような気がして書けなかった。が、女性作家に置き換える事で素直に書く事が出来た」と三谷幸喜さん。三谷さんが劇作家として、女性しか登場しない戯曲を書いたのは実は今回が初めて。(戸田恵子さんの一人芝居『なにわバタフライ』には姿は見えないものの、お父ちゃんや師匠など相手役の男性達が出てきます)。

”書くこと”……それは自分との戦いなのか、それともライバルとの戦いか……三谷幸喜さんが描く2人の女流作家の一夜の物語。私達もそっと夜のBarで繰り広げられる働く女子のバトルを覗いてみましょうか。

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