ミュージカルの様々な名曲を四季独自のアレンジで構成し、「ミュージカルでもない。ドラマでもない。まったく新しいエンターテイメント」と高い評価を得ている『劇団四季ソング&ダンス 60 感謝の花束』。千秋楽も決定し、ますます盛り上がる本作にヴォーカルパートでご出演の飯田洋輔さん、飯田達郎さんご兄弟にお話を伺いました。

『劇団四季ソング&ダンス 60 感謝の花束』
全国64都市公演から自由劇場へ!


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飯田洋輔さん (撮影:演劇ガイド・上村由紀子)


――『劇団四季ソング&ダンス 60 感謝の花束』、全国64都市公演を経て開幕した自由劇場での舞台も熱いですね。

飯田洋輔(兄)
ありがとうございます。勿論、全国を巡演していた時と同じ作品ではあるのですが、今回凱旋と言う形で東京公演が実現し、更にブラッシュアップした状態の舞台を観て頂く為にキャスト一同かなり厳しい稽古を重ねました。自由劇場でバージョンアップしたステージをご覧頂けると思っています。

――構成・演出・振り付けを担当された加藤敬二さんのお稽古はやはり厳しい?


洋輔
はい、稽古中はヴォーカルパートのメンバーもかなりシビアなアドバイスを頂きました(笑顔)。ただそれはもう皆で良い作品を創って行くんだ!と言う事ですので、観劇して下さったお客様が何かを持ち帰って下されば嬉しいです。

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飯田達郎さん(撮影:演劇ガイド・上村由紀子)


――全国64都市での公演と言う事で、劇場のサイズや舞台の広さ等もそれぞれ違ったのでは?

飯田達郎(弟)
そうなんです。ヴォーカルで言えば、劇場の空間が広ければ音が響きやすくなったりもしますね。場所によってそれぞれ違う湿度も声の伸び方や響きに影響しますので、大体1時間半から2時間位は必ずその劇場の個性を知る為に皆で稽古をして本番に臨みました。

ダンスパートのキャストも、例えばダンスシューズと床の摩擦を確認したり、劇場のサイズに合わせて毎回微妙に立ち位置等を変えて「今日はこの点より2歩前に出るのがベスト」なんて繊細な作業をしていました。そうやって稽古と確認をして本番の舞台に立っても翌日はまた違う劇場で新しい事が1から始まるわけです。

演出家(劇団四季代表・浅利慶太氏)がいつも僕たちに「旅は俳優を成長させる」と話をするのですが、本当にその通りで、全国公演で様々な劇場に立つ事でその場その場で色々な状況に適応していく……どんな事にも対応していくライブ能力を鍛えられたと思います。

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(撮影:荒井健)

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(写真提供:劇団四季)

――全国公演で特に印象に残った事はありますか?

洋輔
九州の延岡から長崎に向かう移動手段がバスだったんですね。それも6時間の長旅。到着した時には大雨で一瞬「うおぅ……。」と思ったんですが、気を取り直して食べに行った長崎ちゃんぽんがとても美味しくて。全国公演で色々な場所に行かせて頂いて、その土地の名物や美味しいものを頂くと幸せな気持ちになれますね。

達郎
今回は1人が着る衣裳の点数がとても多いので移動の時は大変でした。……大体、1人分の衣裳が横幅1mから1.5m分位ハンガーにびっしり掛けてあるんです。で、その日の舞台が終わると、各自衣裳や靴を片付けてメイクをしたまま皆でトラックに積み込むんですね。

――え、衣裳や靴の積み込みも俳優さん達が自分でやられるんですか?


洋輔
そうですよ(笑顔)。その後、女性陣は楽屋の掃除をして、男性は舞台スタッフの指示でバラシ(舞台セットや照明の撤収)もやります。

達郎
これは劇団四季の全国公演での伝統なんです(笑顔)。在団歴が長い先輩俳優から、まだ新人に近いメンバーまで皆で舞台をバラして次の公演地に向かいます。こんな風に一緒に舞台に関わっていますので、特に全国公演ではキャストだけではなく、裏に付いてくれるスタッフを含めた全員が同じカンパニーなんだ!って思いが凄く強くなりますね。

次のページでは兄弟で舞台に立つ事に付いてお話を伺います!