音楽に描かれる男女の仲の難しさ

スペインの詩人ノエル・クラロソは「男と女は愛し合うために生まれるが、共に暮らすためには生まれついていない」と言いましたが、彼によると、歴史上の有名な恋人たちは常に離れて暮らしていたそうです。このことは、文学と音楽の世界にも言えるようです。

愛をテーマに作品を生み出してきた作曲家は数知れず、特にロマンチックな恋愛、恋人との精神的、肉体的な絆は永遠のテーマです。例えば、シェークスピアのロミオとジュリエットを基にしたセルゲイ・プロコフィエフやピョートル・チャイコフスキーの作曲は、オーケストラに雄弁に愛を語らせています。


『オルフェオ』

オペラにおいては、ほとんど全作品の中で愛が語られています。

歴正史上初のオペラ、オルフェオでは、神話的で超自然的ともいえる舞台で、プラトニックな愛の物語が繰り広げられます。蛇に噛まれて亡くなった妻エウリディーチェを救うために黄泉の国にまで飛び込んでいくオルフェオは、愛の具現化と言えるでしょう。彼は完璧な恋人であり、人間のみならず、動物や石なども感動させるような詩人でもあります。オルフェオは、物質的な世界と精神世界、夢と現実、生と死を区別せずに恋人に尽くし、地上世界に戻るまで決してエウリディーチェを振り返らないという条件で、ついに妻を救い出します。

しかし、オルフェオは、この条件を守れず妻を見てしまい、エウリディーチェは霧の中に消えてしまいます。この作品は、1607年に、イタリア、マントヴァのカーニバルで上演され、観客に強い感銘を与えたため、歴史上初のオペラとして語り継がれています。録音で最もお勧めなのは、K617というレコード会社から出ている指揮者ガブリエル・ガリドのバージョンです。