前記事『ジャニーズ事務所が舞台に拘る意外な理由』ではジャニーズ事務所設立のきっかけとなった作品や、メンバー出演舞台の傾向等を分析してご紹介しました。今回はその中でも彼らが深く関わるストレートプレイ(台詞中心の演劇)にスポットをあてていきましょう。これがなかなかガチなんです!

ジャニーズ×演劇の転機は2002年
グローブ座と『演技者。』

ジャニーズ事務所のメンバーが出演する舞台と聞いて多くの方が連想するのは大劇場の華やかなミュージカルやショーではないでしょうか。が、実は中劇場から小劇場で上演されるストプレ作品でも彼らは常に活躍しています。その大きなきっかけの1つが2002年に新大久保にある中規模劇場・東京グローブ座をグループ傘下に置いた事。1988年にシェイクスピアの戯曲を専門的に上演する主旨で開場したものの次第に赤字となったグローブ座を買収し、その運営を子会社に委託する事でジャニーズ事務所は専用劇場を持つ事になります。

更に同年、少年隊がメインを務めた番組『少年タイヤ』の中の「セレクトドラマ」コーナーを拡大させ、演劇界で注目されているクリエイター達の戯曲(脚本)を、ジャニーズ事務所のメンバーが座長を務めて映像化するテレビ番組『演技者。』がスタート。後継番組の『劇団演技者。』と合わせると、フジテレビの深夜帯を舞台に4年半もの間、ジャニーズ事務所×演劇人のコラボレーションは続いたのです。

 
この『演技者。』 『劇団演技者。』に作品を提供した演劇人は赤堀雅秋さん、田村孝裕さん、青木豪さん、三浦大輔さん、上田誠さん、本谷有希子さん、蓬莱竜太さん、長塚圭史さん、前田司郎さん、河原雅彦さん、G2さん、そして松尾スズキさんら、現在も活躍する超注目クリエイター達。

中には暴力的な描写が出てくる作品や不条理モードの不思議なものもありましたが、主に小劇場で舞台に立つ個性派俳優達と座長として互角に渡り合ったTOKIOやV6、嵐、NEWSのメンバーに加え、当時ジャニーズJr.だった生田斗真さん、風間俊介さんらの光る演技は演劇界でも話題になりました。  

蜷川幸雄氏も認めるジャニーズ事務所メンバーのポテンシャル

こうしてジャニーズ事務所は気鋭の演劇人(主に小劇場系)達とも繋がりを築いていく訳ですが、実はその10年以上前から彼らの舞台ポテンシャルを見抜き、自らの作品に起用し続けた大物演出家がいます。それは”演劇界のレジェンド”蜷川幸雄氏。

その時一番輝いている”旬”の俳優を起用する事で、作品に勢いと華をプラスする蜷川演出作品にはこれまで東山紀之さん、木村拓哉さん、森田剛さん、岡田准一さん、二宮和也さん、松本潤さん、上田竜也さんら数多くのメンバーが出演。

「稽古場で灰皿を投げる」という伝説が独り歩きするほど厳しい氏の稽古場ですが、ガイドが出演者として蜷川作品に参加した際、氏が放った言葉で今でも忘れられない一節があります。

その時、蜷川幸雄氏が言い放った一言とは?