防犯灯は明るさだけではだめ
写真3.LED防犯灯(顔の明るさで3lx程度)
夜道を歩く際に、通りが暗いと不安を感じ、少し遠回りでも明るい道から帰るという方もいらっしゃることでしょう。確かに明るい通りは安心感があります。警視庁の調べで、例えばひったくりの犯罪は夕方の6時以降に増えています。
やはり暗くなりかけたころが危険なようです。そのため暗い住宅街路では地域住民が防犯灯を増やして、できるだけ明るい通りにすることを希望しています。しかし、残念ながら明るいだけで「安全」というわけではないようです。また防犯灯の光が明るすぎることで思わぬ弊害を起こしていることもあります。
防犯灯で路面の平均的な明るさが確保されても、防犯灯のピッチによっては器具の真下が必要以上に明るく器具間が暗いと、その対比で器具と器具の中間点付近が真っ暗に見えてしまいます。そこで中間点が暗くならないよう、光をできるだけ遠くに飛ばす防犯灯もありますが、この場合も防犯灯が輝きすぎて、その輝きを背後に人が立つと、人はシルエットに見え逆に不安感を与えてしまいます。
防犯灯はさらに問題があります。器種によっては空を明るくします。また近隣の住宅を照らし、窓から入った光が室内を明るくし、生活者の睡眠に影響を与えます。農地では農作物に害を与えることもあります。また、季節によっては虫が集まってきます。
さて、皆さんの住む街の防犯灯はいかがでしょうか?もうすでにLEDの防犯灯が設置されているところもあると思いますが、その照明は他の光源の防犯灯に比べ安心感のある明るさになっているでしょうか?
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