スイッチやコンセントプランは、使い勝手や暮らしの快適さを左右する
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パナソニック エコソリューションズ
新築やリフォームの際には、間取りプランはもちろんですが、スイッチやコンセント、インターネットなどの配線計画も、日々の快適さを左右する大切なポイントです。
家づくりを終えた方の失敗談にも、「コンセントが足りなくてタコ足配線になってしまった」「スイッチが家具に隠れてしまい操作しにくい」「センサーなどの機能付きスイッチを選べばよかった」「インターネットが使いづらい」などといった言葉はよく聞かれます。
間取りや動線に合わせた位置や数を設けなかったり、機能や形状が適切でなかったために、使い勝手が悪くなってしまう、というケースが多くみられるようです。スイッチやコンセントは、細かな設備機器ですが、毎日使用するものなので、使い勝手を十分に検討し、プランニングを進めることが必要でしょう。
新しい暮らしをイメージして早めに検討すること
配線プランを検討するのは、おおよその間取りが決まった頃。実際の家づくりの中では、設計担当者の提案する電気配線(設備)図をもとに確認していくことになるでしょう。
チェックする際には、まず、図面の中で、家族の日々の動きをイメージすること。朝起きてから眠るまで、どのような過ごし方をするのか、動きをするのかを考えてみることが大切です。
たとえば、朝起きて、キッチンでコーヒーメーカーを使う、炊飯器でご飯を炊く、洗面室でドライヤーや髭剃りを使う。掃除機で掃除をする、パソコンを使う、など。家族の動きをひとつひとつチェックしていくと、必要なスイッチやコンセントの数、使い勝手のいい位置や機能がおおよそわかってくるはずです。
配線工事は、新築であれば上棟後、比較的早い時期の工程です。追加変更のないように、早めに決定することが重要でしょう。
電気配線図は、記号や線の意味を理解してチェックを
電気配線図は、細かな記号や線が引かれ、分かりにくい部分があるかもしれません。しかし、それらの意味を理解し、ひとつひとつ確認することは、とても重要なポイントです。
配線図を確認する際に、忘れてはいけないのは、新しい住まいで使用する家具や家電の配置を書き込むこと。記入することで、照明器具との関係やスイッチやコンセントの適切な位置などもイメージしやすくなるでしょう。
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照明や換気扇のスイッチプランの注意点
■動線に沿って位置を決める
照明や換気扇などのスイッチは、図面の中を歩くようにして検討することが基本。生活動線を図面に記入しながら考えてもいいでしょう。
たとえば、玄関ホールの照明のスイッチは外出時も帰宅時も使いやすいか、部屋の照明は扉を開けた時に隠れてしまわないか、ベッドからも操作できるか、など。スイッチは、無駄な動きをせずに操作できる場所に設置することが大切です。
■使い勝手や家族構成に合わせた高さを検討する
一般的に、スイッチは床から110~120センチ程度の高さに設置するケースが多くみられますが、高齢の方がいらっしゃるなど、家族構成によっては低めに設定しても。また、机やカウンターなど椅子に座って操作するスイッチは、行う作業を考慮して高さを決めるといいでしょう。ベットから操作するスイッチであれば、寝ている姿勢でも使いやすい位置に設けるようにしたいものです。
■夜間の使用にも配慮する
スイッチは、昼間だけでなく、夜間に使用することも多いもの。たとえば、深夜にトイレや階段を安全に使用できるかなど、暗い中での使い勝手にも配慮するようにしましょう。
■適した機能を持つスイッチを選ぶ
スイッチには、さまざまな機能を持たせたタイプが揃っています。暗い中でもスイッチの位置が分かるスイッチ、光の明るさを変えることができる機能のあるもの、人の動きを検知したり設定時間でオンオフするものなど、必要な場所に適した機能を持つタイプなどを検討することもポイントです。
■リモコンやスマホで操作できるタイプも
最近では、複数の照明などをリモコンで操作することができたり、スマートフォンで操作することが可能タイプもみられます。設置する空間やスペースによっては上手に活用してもいいでしょう。
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コンセントプランの注意点
■使用する機器をリストアップする
コンセントの数や位置を決める場合は、事前に、コンセントが必要になる家電や機器をリスト化すること。使用する部屋ごと、空間ごと、また、コンセントを常時使うものか、季節によって使うものかも、明確にしておくと考えやすいでしょう。
たとえば、リビングであれば、テレビやDVDなど映像関連、パソコンや電話、FAXなど。また、掃除機、エアコン用なども必要でしょうし、加湿器、扇風機、ヒーターなどの季節用品も。充電が必要な機器も増えていますし、駐車スペースや庭まわりなどにも設置しておくと便利でしょう。
■室内扉の開閉や家具の配置を考慮する
コンセントは、部屋のコーナーに設置されることが多くみられますが、ベッドやチェストなどで隠れてしまうケースも。また、室内扉によって、使いづらくなってしまうケースもよくみられます。扉の開閉方法、家具のレイアウト、家電や機器を空間のどこで使用するのかをイメージしながら、プランニングすることが大切です。
■使い方に適した高さに設置する
コンセントを設置する高さは、一般的には床から25~40センチ程度ですが、高齢の方の場合は、少し高めに設置しておくと、かがまずにすむので、使い勝手がいい場合も。また、机やカウンター、ベットサイドテーブルなどで使用するコンセントは、それぞれの高さに合わせて。トイレは、温水洗浄便座や暖房機器など、使う機器によって設けておくようにしましょう。
■適した機能を持つコンセントを選ぶ
コンセントにもさまざまな機能を持つタイプも増えてきています。子供のいたずらを防ぐことができる扉の付いたもの、足にコードが引っかかってもプラグが外れるタイプ、エクステリアに適する防水機能付きなど、家族構成や使用する場所に適した機能を持つタイプを取り入れることが大切です。
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テレビやインターネット配線、充電なども早めに検討を
配線プランの中でも、テレビやインターネットなどのプランは重要になってきています。使用する機器によって必要なコンセントが変わってきますし、家族構成 やライフスタイルによっては、各部屋から使用できる家庭内LAN(Local Area Network)も必要になるでしょう。
マルチメディアコンセントや、スマートフォンなどの充電にも使いやすいUSBコンセントなども揃っているので、使用方法に適したタイプを選ぶようにしましょう。
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将来のライフスタイル、家族構成の変化も考慮して
スイッチやコンセントプランを検討する場合は、現在だけでなく、将来的な暮らしの変化を予測することも必要です。子供の成長や独立、親との同居など、家族構成やライフスタイルが変化しても対応できるように、ある程度ゆとりのある配線計画としておくこと。特にコンセントは余裕を持って配しておくことが大切でしょう。
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