ダブルライセンスなど、資格は組み合わせが決め手!
最も効果的なダブルライセンス資格とは?
皆さんは、いくつの資格を持っていますか?
数を競うわけではないけれど、履歴書に書ける資格が多い方が、「なんとなく安心」ということで、いくつもの難関資格にチャレンジしている方もいらっしゃるでしょう。結論から言うと、私自身は「資格は多ければ多いほど良い」とは思いません。
人事採用の現場では、時として「多すぎる」資格が、「資格取得の目的がよくわからない」「単なる資格マニアなのではないか」などの印象を与え、デメリットとなるケースも多々あります。
一方で、「複数の資格を持っていること」が効果的な自己アピールにつながるケースは、確かにあります。肝心なのは、「資格取得の目的」とそのために「どんな資格を組み合わせるか」です。
今回は、特に効果的な「ダブルライセンス」「トリプルライセンス」の組み合わせを、目的別に紹介しましょう!
資格の効果的な組み合わせ3パターン
ダブルライセンスの組み合わせとして考えられるのは、以下の3パターンです。(1)同じ領域の資格を組み合わせる
→例:簿記1級+BATIC(国際会計検定)、宅地建物取引主任者(宅建)+マンション管理士、ITパスポート+基本情報技術者など
(2)近接領域の資格を組み合わせる
→例:社会保険労務士+キャリアコンサルタント、司法書士+不動産鑑定士、インテリアコーディネーター+福祉住環境コーディネーターなど
(3)違う領域の資格を組み合わせる
→例:中小企業診断士+カラーコーディネーター、通関士+簿記2級、FP技能士+ITコーディネーターなど
目的に合った「組み合わせ」で最大限に資格をアピール!
それぞれのパターンを詳しく紹介。資格も組み合わせ次第で、こんなメリット、デメリットがあるんですよ。(1)同じ領域の資格を組み合わせる
最も一般的なのが、この組み合わせです。
「経理職」を目指すなら「簿記」「税理士」「公認会計士」という具合に、比較的取得しやすい資格から難関資格まで、一貫して同じ領域の資格を取る、という方法です。
この組み合わせの最大のメリットは、何と言っても「専門性をアピールできる」こと。また、誰が見ても、その人が目指している方向性、資格取得の目的を理解できます。こうした「一貫性」は、職種に対するモチベーションの高さを表す材料として、採用でも評価を受けるでしょう。
一方で、この「一貫性」がデメリットになることもあります。例えば、持っている資格とはまったく別の職種へキャリアチェンジをしようと思っても、「これだけ一貫した資格を持っているのに、なぜ違う職種に転向したいのか?」と不審がられることになるでしょう。
また、同じ領域の資格しか持っていないということは、別の領域では、資格を活かしきれないことでもあります。いわゆる「ツブシが効かない」が起こりうるのが、この組み合わせです。
(2)近接領域の資格を組み合わせる
「まったく同じ領域ではないけれど、業務上関連のある領域の資格」を組み合わせる方法です。
資格は様々あれど、実務となると、「ここまでは○○の仕事」「ここからは△△の仕事」という具合に、きちっと線引きができないケースは多々あります。そこで少し手を広げて、専門外ではあるけれど、業務上ニーズが多い「近接領域」の資格を取っておこうというのが、この組み合わせです。
例えば、「社会保険労務士」と言えば、人の採用から退職まで、社会保険に代表される人事・労務管理全般を扱う資格ですが、こうした業務に関わる中で、個人のキャリア形成へのアドバイス、サポートが求められるケースが増えてきました。
そこで、「社労士」に「キャリアコンサルタント」の知識が加われば、より活躍できる範囲が広がることになります。実際、私の「キャリアカウンセラー」仲間にも、この組み合わせで成功している人が増加中です。
専門以外の領域にまで枠を広げ、既存の業務の枠を広げた需要が見込まれるのがメリットですが、反面、どちらをメインにするかが明確でないと、「広く浅く」のキャリアとなり、結局「専門性に欠ける」ことになる点には注意が必要です。
違う領域の資格を組み合わせるなら、オリジナリティで勝負!
(3)違う領域の資格を組み合わせる文字通り、まったく関連性の無い資格を組み合わせる方法です。
一般的に言えば、このような資格の取り方をすると、人事採用担当者から「専門性がわからない」「資格取得の目的が見えない」ということで、ネガティブな印象を持たれがちです。
しかし、「希望職種に直接関係無い資格を持っている」ことは、裏を返せば、「他の応募者が持っていない資格を持っている」ことでもあるのです。他者との差別化の上でこれを利用しない手はありません。
ITエンジニアとしての経験があり、それに関する資格を持っている人がIT関連の求人に応募しようとするとき、ライバルの多くも、同様の経験、資格を持っていることが考えられます。
その場合には、経験の質や資格の数、難易度が比較の対象となるわけですが、どちらにしても、同じ「土俵」上の勝負に変わりはありません。
ところが、そこにまったく違う領域の資格や経験……、例えば、「簿記の資格や経理の知識」が加わったらどうでしょうか?
担当業務自体は、「ITエンジニア」でも、「簿記の知識を活かして、他の人にはできないことができます。こんなことをしたいです」とプレゼンすることで、一味違ったITエンジニアとしてアピールできるかもしれません。
この組み合わせを最大限に活かすためには、どちらか一方の領域に関して、十分な経験・専門性があることが必要です。そして「プラスα」としてまったく違う領域の資格を組み合わせることで、誰も真似できないオリジナリティを出すのです。
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資格の組み合わせ3パターン、あなたにぴったりの組み合わせは見つかりましたか?
人事採用担当者は、履歴書に何気なく並んだ資格の組み合わせから、あなたの専門性や意欲、将来的なキャリアビジョンまで読み取ろうとしています。
ぜひ、最も効果的な組み合わせを探して、最大限に資格をアピールしましょう!
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