イスタンブールの歴史
アヤソフィアの内部。巨大なアラビア語はコーランの一節をとったもの。天井のモザイクはモスクとして使われていた時代には漆喰で塗り固められていた ©牧哲雄
地下宮殿の名で知られる地下貯水池イェレバン・サラエ。コンスタンティヌス帝が建築し、ユスティニアヌス帝が増改築したといわれる。映画『007 ロシアより愛をこめて』の舞台にもなった ©牧哲雄
この街が世界の中心都市になるのは、330年、ローマ帝国のコンスタンティヌス帝が首都をローマからここに移し、コンスタンティノープルに改名して以来。395年にローマ帝国が東西に分裂するとビザンツ帝国の首都として、また1054年の東西教会の分裂以降は正教会の中心として、キリスト教世界の頂点として繁栄した。
地下宮殿にあるメドゥーサの首。ローマ時代の彫刻が土台として使われているようだが、その意図は不明 ©牧哲雄
1923年、トルコ共和国が成立すると首都はアンカラに移されるが、330年から1923年までの約1,600年の間、東ローマ帝国とオスマン帝国という超巨大帝国の首都として君臨した。
首都はアンカラに移ったものの、現在もイスタンブールの人口は約900万でトルコ最大。今回紹介したのはすべてヨーロッパ側だが、アジア側にもまだまだ見所はある。イスタンブールは歴史と規模と多彩な文化をとりそろえた、世界でもっともおもしろい街のひとつなのだ。