防犯/子どもを犯罪から守る

子どもへの声かけ、善意と不審の差

子どもが被害に遭う事件が多発しています。同時に善意でありながらも子どもに声をかけることが難しい時代になっています。不審者と誤解されないためにどうしたらいいのでしょうか? 滅多にないとしても、いつか遭遇するかもしれないときのために考えておきましょう

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

不審者に間違われる危険性アリ?

一人歩きの児童が気になる

一人歩きの児童が気になる…

子どもが犯罪被害に遭う危険性が高まっているように感じられる昨今、不審者に関する情報が各地の警察や教育委員会、自治体などのサイトで見られるようになっています。ぜひ、この機会に地域のそうしたサイトをご覧になっていただきたいものです。すでに不審者情報が送られてくるように登録済みの親御さんも少なくないはずです。

わが子のことなら真剣に考えるのは当たり前でしょうが、よその子、見知らぬ子どもであっても、一人きりで歩いていたら気になる人もいるでしょう。もし万が一、犯罪被害に巻き込まれたら? と考えると、ひとこと声をかけてあげたい……でも、今どきのことですから、かえって不審者に間違われることもあるだろう、とためらってしまうのではないでしょうか。

「1人で泣きながら歩いている小さな子」を見かけたら、女性なら「どうしたの?」「迷子になったの?」と、声をかけて交番に連れて行くなど出来ても、男性では「不審者に間違われたら困る」と見なかったことにするかもしれません。実際に、そう考えたある男性は110番に通報して、女児の保護を依頼しましたが、「一緒に交番に連れて行って」という女性オペレーターに対して、「不審者に間違われたらイヤだから」と断り、「せめて警察官が到着するまで見守って」という要請にも、「それこそ不審者に間違われる」と断ったそうです。

このできごとを自分にあてはめて考えてみましょう。自分ならどうするか? 面倒なことはごめんだと何もしない人が多いでしょうか。他にも誰か人がいたら、その人にも話して協力を頼むのもいいでしょう。が、やはり不審者扱いされても困る……ということがあるので、本当に難しいものです。

しかし、110番通報したことはよかったといえるでしょう。警察がその女児の存在を知り、保護に向かうことができたからです。

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