東洋医学から考える片頭痛の原因は肝(かん)にある
東洋医学においては、運動器の痛みや内蔵の疾患であっても、身体の中の気が停滞した状態または外部から邪気が侵入した状態と考えます。頭痛などの痛みの場合は、頭周辺を通過する経絡という気の流れの乱れが発生していることが原因と考えられます。このような考え方に従うと、肝(かん)の気が肩や頭、目の周囲に停滞することにより頭痛が起きやすくなると考えられています。肝の気が停滞すると、頭痛だけでなくイライラや抑うつ、不眠や筋のこりや張りも引き起こします。
肝は気とともに全身を巡り栄養する血(けつ)の流れをコントロールしているのですが、精神的ストレスや怒りなどの感情によってこの肝の気の流れは遮られてしまいます。
何故かと言うと、ストレスや怒りである「怒(ど)」という感情は東洋医学の根幹思想である五行分類(ごぎょうぶんるい)において木(もく)という性質に分類されるのですが、肝も同様に木に分類されているからです。そのため、「怒」のような感情のストレスが加わると、同じ木の性質を持つ肝の気の流れにまで悪い影響がおよんでしまうのです。
以上を踏まえ、東洋医学においては肝の気の流れをスムーズにすることが頭痛改善につながると考えられます。
太衝は肝の気を補い頭痛の症状を改善すると考えられる
- 太衝(たいしょう)
陽陵泉には肝の気の流れを改善する効果があるとされる
- 陽陵泉(ようりょうせん)
肩や頭の周囲にあるツボをマッサージすることが効果的なように思えますが、実際は下半身にあるツボに頭痛を軽減する効果が期待されるという点が興味深いですね。
片頭痛が起こるきっかけは様々なストレスであることは説明しましたが、東洋医学の考え方においてもきっかけは同様なようです。ツボを利用して症状を改善することはもちろん、なにより身体にストレスを与えるものを上手く遠ざける生活習慣を作ることが大切です。