社内報で「トップには書かせるな、語らせろ」

まずは社内報、Web社内報でのトップメッセージの伝え方です。ポイントは「書かせるな、語らせろ」です。つまり、トップによる寄稿文は避けた方がいいでしょう。文章によるメッセージの伝達は、どうしてもトップ目線となってしまうからです。さらに、トップの寄稿文をリライトすることは、ほぼ不可能ではないでしょうか。読みにくい、理解しにくい内容であっても、そのまま掲載するしか手がないわけです。
トップを取材している場面

トップには語ってもらうのが効果的


では語らせるとはどういうことでしょうか?
例えば、インタビュー取材、対談、座談会という手法をとります。誰か相手に語ってもらうという形態です。社内報編集部によるインタビュー、社員との対談、若手社員との座談会というパターンです。相手がいれば、先に記したように相手目線に合わせられるからです。

この場合の相手とは、読者ターゲットです。先に記した1対1のフェイストゥーフェイスの会話でのターゲットは一人です。つまり、明確なターゲットを設定しないと、メッセージを発する経営トップも、どこに目線を設定して良いか分からなくなってしまいます。伝えようと思ったらターゲットを絞ることが最低条件です。逆に言えば、ターゲットを絞って、そのターゲット目線で伝えようとすれば伝わるのです。

ですから、編集部のインタビューの場合であってもターゲットは必要です。ターゲットとなり得る社員を同席させ、その社員に語ってもらうような取材形式をすることで、ターゲット目線での取材となるわけです。対談や座談会は当然ながら、ターゲットとする社員を相手方としてセッティングします。

リアルな場は、社員の土俵の現場に降りる

キックオフミーティングなどの公式イベントでのトップメッセージの発信。この場合は、あらゆる階層の社員が参加するので、ターゲットを絞り込むことはほぼ不可能です。このような場では、インパクトのあるキーワードを使い、とにかくメッセージを絞り込むことです。そのキーワードさえ刷り込めれば大成功でしょう。そして、そのキーワードを「自分事化」してもらうべく、少人数の会合でフォローしていくのです。

タウンホールミーティングや車座といった、トップと現場社員が直接コミュニケーションの取れる場を作り、先のキーワードについて再度会話していくのです。そのキーワードの込めた思いを、相手の目線を意識しながらトップに語ってもらい、各自がどのようにそのキーワードを理解しているかをトップに話す。そのようなやり取りをしていく中で、トップもどのように表現をしたら伝わるか、理解されるかが把握できるはずです。このような場はトップメッセージを伝えるだけでなく、トップも伝え方を勉強できる有益な場となるのです。

このような場は、社員の働いている現場で行うことが重要です。間違っても社長室や応接室で開催しないことです。呼ばれた方は縮こまってしまい、本音で話すことは無いでしょう。社員の本拠地で、ホームグラウンドで開催すべきです。

また、ある会社では、中間管理職をその場から外しているそうです。上司の顔色を見ながら話すことをなくすためです。本音を引き出すにはそのような設えも必要です。トップも本音を開示することで、社員も本音で答える。そのような本音で語り合える場により、少しずつ理解者を増やしていく。確実に伝えようと思ったら、人数を少なくし、回数を重ねることが大切です。つまり、どれだけ1対1のフェイストゥーフェイスの会話に近づけるかが結局は大事となってくるのです。


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。