ドラマトゥルクとしての山田さんの役割とは?
(C) TOKIKO FURUTA
私の中では、作品世界の中とその周りの現実世界との間にいる感覚がすごく強くて。リサーチするのもそうだし、インドネシアと日本の間にいたり、いろいろなものの間に立っているような感じ。だから、私がコレをやりたいというより、媒介者というか、ひとつ外側にいる感覚ですね。
北村>ドラマトゥルクは一番難しいポジションなんですよね。いろいろなひとの意見をまとめたり、逆にまとまった意見を壊したり。私もムチャぶりをして、時々混乱させてるかもしれません(笑)。
(C) TOKIKO FURUTA
すごく不思議なんですけど、もともと私が持っていた問題意識と、北村さんが感じていたことがかなり重なっていたんです。映像の立場で言うと、ひとつの筋に沿って俳優の演技やカットを従属させながら一本の話をつくるのではなく、もうちょっと拡散させていけたらという模索があった。いろいろな話が同時に流れていたりするような、多面的なつくり方をしたいという想いがあったんです。ちょうどその頃北村さんと出会い、内側から出てくるものというよりも、外から動かされるような何かについて考えていきたという話を聞いて。ジャンルは違っても、何だかとても共通するものがあるのを感じました。
(C) TOKIKO FURUTA
音楽にしてもそうだと思う。特にフィールドワーク的にいろいろな要素を録り溜めていくと、何かと何かを合わせたときにありえない音が聞こえるということのがあるのではと……。違う考え方を持つ人間同士が混ざることによって何かが生まれることがあるというのがダンスの前提だとすると、現象として非常に通じるような気がするし、ジャンルが違ってもそれほど違和感はないような気がします。
(C) TOKIKO FURUTA