この革で「いい革」を知った読者も多い筈!
今回の受注会の為に発掘してきたフランス・デュプイ社のかつてのアニリンカーフです。同社の革が名声を博していた1990年代末期頃のもので、向かって左からライトブラウン・ブラウン・カーキブラウン。透明な光沢と柔らかくもハリのあるあの革質を見るなり、「ああこれだった!」と思い出される方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
まずは、数年前まではフレンチカーフと言えばその名が真っ先に挙がっていた、フランス・デュプイ社のアニリンカーフ茶系3色。今日よりも上質な原皮を調達できていたと共に手間をかけて鞣(なめ)していたのが明らかな、恐らく1990年代末期頃のもので、柔らかく透明感がありながらも、パリッと張りのある革質を懐かしく思われる読者も多いのではないでしょうか。当時はインポートの紳士靴のアッパー、ことさらイギリス・フランス製の高価格帯のもので茶系のスムースレザーのものは、デュプイのこの革をこぞって採用していたものです。
自然な明るさのライトブラウン、フレンチカーフのお手本と呼ぶべきブラウン、そして極僅かに緑掛かった雰囲気満点のカーキブラウンを、今回は各5足分ずつ用意しています。この革は経年変化により、濃くなるような薄くなるような色の「抜け方」が絶妙なのも大きな特徴ですので、お奨めのスタイルは勿論、そんな革質を最大限に堪能できるシンプルなホールカット! どの色であってもお手入れに用いる乳化性の靴クリームは、できれば色付きのものではなく無色の、しかもアニリンクリーム系のものでお手入れし続けて、キラッと出る輝きを存分に楽しまれて下さい。
デュプイのかつてのアニリンカーフ、と来ればお勧めのスタイルは革質の良さを靴全体で味わえるホールカット一択でしょう。革質の経年変化と共に、このスタイル特有の「包まれ感」を味わってみて下さい。上の写真の革を用いて価格は税込み15万1200円~です。
デュプイほど知名度はないものの、その質感が通受けしていたタンナーの革もあります。詳しくは次のページで!