トラベル英会話

on the ceilingの意味…前置詞onは「上に」じゃない!

英語を習得するにあたり、最も難しいテーマの一つが「前置詞」。そこで、前置詞の使い方をすっきり理解するための記事をお届けします。今回のテーマは「on」です。on the ceilingの意味とは? 身の回りの英文でonを探して、頭の中でイメージ!

足立 恵子

執筆者:足立 恵子

トラベル英会話ガイド

<目次>

on the ceilingの意味……「天井の上」ではない!

on the ceilingの意味は?

天井の「下」にあるのになぜか「on」

前置詞のonと聞いたときに、まっさきに思い浮かぶのは「~の上に」という意味ではないでしょうか。でも、実際のonの使われ方を見ると、必ずしも何かの「上」とは限らないようです。

onの典型的な使われ方として、on the table(テーブルの上に)やon the floor(床の上に)があります。これは「~の上に」ということですんなり理解できますね。それでは、次の表現の意味は?

a light on the ceiling

lightは「照明」、ceilingは「天井」ですが、「天井の上の照明」ではなく、「天井の"下"についている照明」ですね。なぜ「上」ではないのにonを使うかというと、onは「くっついている」「のっかっている」という意味を持つからなのです。照明は天井の「上」にあるのではなく、天井の板にくっついて下からのっかているのですね。

例えば、次のような使い方も、「くっついている」「のっかっている」と考えれば、理解できます。

a baby on her back(彼女が背中にしょっている赤ん坊)
a ring on her finger(彼女の指にはめた指輪)
the hands on the clock(時計の針)
 

時間や行為にものっかるon

「くっついている」「のっかっている」という意味が抽象的な概念も表すことから、例えばこういうときにも、onが使われます。

on time(間に合って)=時間にちょうどくっついてのっかっている
live on rice(米を主食とする)=米にくっついてのっかっている
It's on me.(私のおごりだ)=(勘定が)私にくっついてのっかっている

同様に、「~中である」という意味を表すこともできます。

I'm on a diet.(ダイエット中だ)=ダイエットにくっついてのっかっている

それでは、これが動詞と結びつくと、どのような意味を表すのでしょうか。試しに、onを使って次の表現を英語にしてみましょう。

「私は毎朝バスに乗る」
 

「バスに乗る」がget onになる理由は?

onは「~の上に」という意味を表すだけでなく、「くっついている」「のっかっている」というイメージを表すことを説明してきました。ここでは、動詞と一緒に使ったときの例をご紹介します。

前のページで出した「私は毎朝バスに乗る」は、英語ではこうなります。

I get on a bus every morning.

でも、よく考えてみるとバスの「上」に乗るのではなく、「中」に入るんですよね。なぜget in a busではないのでしょう? これは、getが「~という状態をつくる」という動詞なので、

get on a bus=on a bus(バスという移動手段にのっかっている)状態をつくる

と考えられます。同様に、「飛行機に乗る」もget on boardまたはget on a planeといいます。on board(搭乗している)、on a plane(飛行機という移動手段にのっかっている)状態をつくるわけですね。
 

動詞の意味と前置詞の意味が結びつく

このように、動詞+前置詞の表現では、動詞の意味と前置詞の意味が結びついて、ひとつの意味を表します。例えば、こんなふうに考えてみましょう。

go ongo(進む)+on(くっついていてのっかっている)
=続く(くっついてのっかったまま進む)

put on a jacketput(置く)+on(くっついてのっかっている)+a jacket(上着が)
=上着を着る(上着がくっついてのっかっているようにする)

hold onhold(抑える)+on(くっついてのっかっている)
=待つ、電話を保留にする(くっついてのっかっている状態を抑えておく)

こんなふうに見ていくと、普段会話の中で何気なく使われているonが、結構大事な役割を果たしていることがわかるかと思います。

それでは次に、会話の例を見てみましょう。腕試しに、次の表現をgo onを使って英語で言ってみてください。

「いったいここで何が起こっているの?」
 

onを使って会話しよう

前置詞onの意味と、動詞と結びついたときの使い方について見てきました。会話表現の中でもよく使われ、例えば前のページで出した「いったいここで何が起こっているの?」は、go onを使ってこのように言います。

What's going on here?

go onは「続く」で、文字通りには「ここで何が続いているの?」ですが、「何が起こっているの?」もしくは「何やってるの?」といった意味で使われます。それでは、会話例を見てみましょう。
 
on the riverside

川岸に「のっかっている」からon

A: Hey, what's going on here?
B: We're having a barbecue this weekend. It's on the riverside.
A: Sounds great. Can I join you?
B: Yeah. We'll meet at Hachiko in Shibuya at 10 o'clock.
A: I'll be there on time.

A: ねえ、何してるの?
B: 今週末バーベキューをやるんだよ。川岸でね。
A: いいね。僕も行っていい?
B: うん。渋谷のハチ公で10時に待ち合わせだ。
A: 時間通りに行くよ。
 

onを頭の中でイメージする

前置詞を使いこなせるようになるには、こういった実際に使われている例を見て、頭の中でイメージを作ってみるといいでしょう。「川岸で」は「川岸にくっついてのっかって」というイメージで、通常on the riversideとなります。「湖畔で」もonを使ってon the lakesideです。on timeは「時間のうえにちょうどくっついてのっかって」、「時間通り」という意味になります。

最後に、ちょっと抽象的なonの使い方をいくつかご紹介します。それぞれ頭の中でイメージを作ってみてください。

It'll take about 10 minutes on foot.
(歩いて10分かかります)=foot(足)にくっついてのっかっている

I'm on my way home.
(家に帰る途中だよ)=家路にくっついてのっかっている

I'm working on it.
(今それをやってるよ)=それにくっついてのっかって作業している

いかがでしょうか、身の回りの英文でonを探して、頭の中でイメージしてみましょう!

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