バレエ/バレエ観劇の関連情報

次代を担う振付家賞受賞! 川村美紀子インタビュー(3ページ目)

二年に一度開催される振付家の登竜門・トヨタ コレオグラフィーアワード。先頃2014年度の最終審査会が開かれ、応募総数203組の中から選ばれた6名が作品を上演。川村美紀子さんが次代を担う振付家賞(優勝)及びオーディエンス賞を受賞しました。ここでは、W受賞に輝いた川村さんにインタビュー。受賞の心境と今後の活動についてお聞きしました。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

バレエガイド

作品はどのようにつくりましたか?

川村>まず初めに私がイメージしていたことを “こういう感じはどうですか?”とスタッフさんに提案したら、“ダンスってそういうものじゃないんじゃない?”とか、“今回はそういうのはちょっと……”と言われてしまって。あ、違うのかということで、一旦考えを切り替えました。向かうものは一緒なんですけど、最初の計画は断念になったという経緯があります。

ph

(C)bozzo

私としてはもっと歌ったりしたいんですけど、全然実現しないということは、あまり向いてないのかなと思ったりもして。あるひとに相談したら、“どっちにしても一個のことを極めないと何のひとかわからないまま終わっちゃうよ”と言われて、確かにそうかもしれないと。


“ずっと自分ひとりでやってきたので、自分が自分がっていう部分がある。そういうものを一度なくしたときに滲み出てきたのが自分なんじゃない?”と言われ、ああそうかと感じた部分が今回はありました。じゃあ頑張ってみようと思って、それでダンスに目が向いた感じです。

ph

 

ただ少人数で作品を上演したことがあまりないので、作品のつくり方がだ確立されてないというか……。私自身どうやったらいいんだろうという感じで、本番の3週間くらい前まで何もできなくて、スタッフさんにも“大丈夫ですか?”ってずっと心配されてました。

トヨタは振付のコンテストであり、“振付って何だろう?”ってずっと考えていたということもあって。自分の動きをひとに伝えるというのもそれはそれで面白いけど、今回はそういうアプローチじゃない方向で振付しようと考えました。

ph

 

本当に偶然なんですけど、4人とも椎名林檎さんが好きだったので、まず 椎名さんの曲を8曲くらいミックスして音をつくりました。椎名さんじゃ なくても、共通した何かが欲しかったんだと思います。リハーサルではそのメドレーで踊って、本番の曲は私が後から付けました。ビートはあったけど、効果音の素材ができたのは本番の4日くらい前。それまではみんなどんな曲になるのか知らずに踊っていて、本番ギリギリになってあてはめた感じです。

本番用の曲は、山手線の音とか、コンビニの音、エレベーターの音や緊急地震速報音をミックスしたもの。コンビニはざわつきがうるさかったので自分で打ち込みましたけど、山手線の音は実際に駅に行ってスピーカーにレコーダーを向けて録音しました。

ph

『インナーマミー』 (C)bozzo

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 7
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます