適切な対処法をとり、短期間でいじめ解決に……
学校が適切に対処すれば短期間で解決する
きちんといじめ解決をできる学校は、以下のプロセスをきちんと踏んでいます。
- いじめ被害者の保護
- いじめを止める
- 加害者を叱る
- 被害者、加害者の心のケア
- 再発防止
いじめ被害者の保護
「いじめ被害者の保護」とは、まず被害者の話をしっかりと聞き、いじめを解決すると約束することです。そして加害者指導をして、いじめを止めさせ、その後、「いじめはいけない」と加害者をしっかり叱りましょう。このとき、いじめ被害者と加害者を離すことが大切です。被害者から話をきいて加害者が分かった場合には、加害者同士も話しましょう。加害者からは「同一時間に」「それぞれ別室で一人ずつ」話を聞くのです。なぜなら、被害者は1人で加害者は複数ですから、加害者側が口裏を合わせて、「いじめはなかった」または「いじめではなかった」ということにしてしまうことを防ぐためです。まずい対処方法としては、「全体指導」(教師が、教室で生徒全員に対して「いじめはしないように。」と言うこと)です。〈参照:「全体指導はいじめがひどくなる場合がある」〉また、被害者保護やいじめを止めさせることをしないで、加害者の指導に入ると、「チクッた」ということでいじめがエスカレートしてしまいます。
ここで一番難しいのは、「いじめの認定」だと思いますが、積極的な悪意がなくても、相手がいじめられていると思い、思い悩んでいるならそれはいじめです。
いじめを止める、加害者を叱る
いじめを止め、加害者はしっかりと叱る
また、学校全体でいじめ防止に取り組んでいる校長先生は「子供たちは敏感です。真剣に自分のことを考えて、いけないことはいけないと言ってくれる教師を待っているのです。」と語ります。
加害者は時にして「あいつだっていじめているのに、どうして自分たちだけが叱られるのか」「私だっていじめられていたことがあった」などと言い訳をします。そのような言い訳に負けず、しっかりと説得力を持った教師はいじめを止めることができます。例えば、「自分もいじめられていた」という言い訳に対しては「自分がいじめられたからと言って、いじめていい理由にはならない。間違っているものは間違っている。」と言えるかどうかがカギです。しっかりと叱ったうえで「相手が以前いじめていたのなら、それについては別途叱っておく」というように理性的に対処する姿勢が必要です。これは、低学年でも高学年でも同じです。
その際、きちんと子供たちの将来のことを考えているのだという気持ちが伝われば、いじめは止まります。逆に教師がポーズで「いじめはいけない」というだけでしたら、反発されるだけですので、日頃からいじめ防止に関して、教員全体の意識の向上がされているかが問題なわけです。ですから、短期間でいじめが解決しない場合には、その学校にはいじめ解決の能力がないとみて、教育委員会や外部に相談をするなど他の手段を考えてよいでしょう。目安は個別の相談をしてから一週間です。
心のケア、再発防止をする
いじめを止めることをしっかりとした後は、被害者、加害者の話をじっくり聞き、何か悩みがある場合は相談にのるなどをして心のケアをしましょう。子どもたちの心がもやもやしている場合は、「いじめはいけない」と毅然と対処してあげることで、子供たちのほうがすっきりとする場合もあります。
再発防止は、教師が「いじめはいけない」と言うメッセージを出し続けることです。一度、きちんと解決しておけばこのメッセージは生徒の心に響くはずです。
もし、いじめ相談をしてもなかなか事態が解決しない、子供が通っている学校ではなかなかいじめがなくならないという場合は、上記のプロセスがきちんとしているかどうかチェックをしてみてください。そして、繰り返しになりますが、問題の解決能力がないと判断した場合は次の手段を考えることが子供を守ることにつながります。
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