全体指導の危険性

保護者から、いじめの相談を受けると、多くの教師はクラスの生徒に対して「いじめはいけない。このクラスでいじめが起きているがそれはやめよう」という趣旨のクラス全体指導をしたくなるようです。

しっかりと「いじめはいけない。今日、この時点でこのクラスからいじめを撲滅する」という信念を持って、本気で取り組んでくれる場合は効果があるのかもしれませんが、残念ながら、ほとんどの場合は全くの逆効果となります。

それは、なぜかというと形式的な「いじめはいけない」という話をしたところで、それがいじめ加害者の心に響き「いじめをやめよう」と思うことはないからです。

それどころか、「先生にチクった。」と受け取られるのです。

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形式的な全体指導は危険です

形式的な「いじめはいけない」という全体指導は、いじめ加害者には見透かされ「先生は、俺にわかるようないじめはするな。面倒くさいことになる。いじめなんか教師にわからないようにやれ」というメッセージになるのです。

その結果、いじめはますますひどくなります。「二度とチクれないようにしてやる」と、エスカレートするのです。

子供は大人の本気度を見ている

ある校長先生からこんな話を聞いたことがあります。
「問題のある子供ほど、教師を正確に評価しています。本気で取り組んでいるかどうかを、正確に判断しているのです」と。地元では熱血校長として知られていて、いじめが起きると「これは校長である私の責任だ。解決するまで徹夜でも取り組む」という先生です。ですから、子供たちのこともよくわかるのでしょう。

いじめ加害生徒は、教師が怖いか、怖くないか、本気か本気ではないかを、自分たちなりに様子を見ながらいじめているのです。

いじめという負の連鎖を断ち切るために

今、いじめ傍観者が問題になっていますが、傍観している子供たちは過去にも悪事をチクッタことで報復をされ、ぼろぼろに傷ついた他の子供たちを何度もみてきているのです。「先生に相談しても頼りにならない、あんな恐ろしい思いを自分はしたくない」と心の底では恐怖におびえているのです。

その結果、いじめという悪事は再び水面下に潜り、陰湿さをまし、被害者の子供は人格を破壊されるまでいじめを受け続けることになるのです。

このような負の連鎖は断ち切れるところで断ち切らなければいけません。

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いじめの負の連鎖を断ち切るために大人は真剣になろう

ですから、個別具体的ないじめ事例を文書で学校側に提出し、「加害者の謝罪」「いじめ再発の防止」までをも文書で要望し、大人は頼りになる、教師はいじめを解決してくれるという事例を積み重ねていく必要があるのです。

子供がいじめにあっているという保護者の方々は、問題を学校へ丸投げせずに、以上のような構造があるのだということを知った上で、親として子供を守ってあげていただきたいと思います。


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