親がおさえておくべき、いじめ防止対策推進法

=alt""

いじめ防止対策推進法

2011年に滋賀県大津市で起きたいじめ自殺事件をきっかけとして、「いじめを防止するための対策」についての法律(いじめ防止対策推進法)が2013年に制定されました。

子供がいじめにあっていることがわかったとき、学校に相談や交渉をするときには、この法律の次に述べる点を踏まえておくと良いと思います。

 


法律で明確に「いじめは禁止されている」

いじめは法律で禁止されている

いじめは法律で禁止されている

「第4条(いじめの禁止)児童等は、いじめを行ってはならない」とありあす。この場合の児童等とは、学校に在籍する児童または生徒を言います。つまり、法律で明確に「いじめは禁止されている」のです。

この話をすると、実際にあった話ですが、時折「私たちは法律家ではない」という校長先生がいます。しかし、第7条(学校の設置者の責務)として「学校の設置者は基本理念にのっとり、その設置する学校におけるいじめの防止等のために必要な措置を講ずる責務を有する。」とありますので、法律家でなくても「いじめ防止」を行う義務が学校にはあるわけです。


学校や教職員は迅速にいじめに対策をしなければならない

第8条には、「学校及び学校の教職員は、基本理念にのっとり、当該学校に在籍する児童等の保護者、地域住民、児童相談所その他の関係者との連携を図りつつ、学校選対でいじめの防止及び早期発見に取り組みと共に、当該学校に在籍する児童がいじめを受けていると思われるときは、適切かつ迅速にこれに対処する責務を有する」とあります。

これは、子供の側から訴えがあったときに適切な措置を講ずるだけでなく、いじめ防止と早期発見に保護者や、地域、そして他団体と連携をして積極的に取り組まなければならないということが定められています。

つまり、保護者も「これっていじめではないかな」と思う場面があったなら、自分の子供のことでなくても地域住民として学校に連絡をすることができるわけです。

保護者の責務と学校、学校設置者の責務

第9条では、保護者は子の教育について第一義的責任を有する者であるとし、子供に対していじめを行うことの内容、規範意識を養うための措置、必要な指導をするよう努めようと定めております。また被害者になった場合には、適切に保護するものとするとも定めてあります。

つまり、いじめが起きたことを学校に報告をし、いじめを解決するよう、そして再発防止、学校全体でいじめをなくすようにしてくださいと要望することは、保護者の義務でもあり、それをしたからといって「クレーマー」や「うるさい親」と学校から認定されることは、この法律の条文を見る限りあってはならないものであると考えてよいと思います。

そして、この条文の最後には、この規定は、家庭教育の自主性が尊重とされるべきことに変更を加えてはならず、またいじめの防止等に関する学校の設置者及びその設置する学校の責任を軽減するものとしてはならない、とあります。

ですから、いじめ防止の責任者は、学校と学校の設置者であることがわかります(学校の設置者は、国、地方公共団体、学校法人等です。)


いじめ防止対策執行の責任者は教育委員会

=alt""

安全な教室に教育委員会は責任を負う

ところが、いじめ防止対策推進法の第30条から32条には、助言や調査の権限を文科大臣、首長に与えていながら、「、地方公共団体の長に対し、地方教育行政の組織及び運営に関する法律<昭和31年法律第162号>第二十一条に規定する事務を管理し、又は執行する権限を与えるものと解釈してはならない。」という付帯条項があります。

これはどういう意味かというと、「教育委員会」に防止対策の執行権限があるので、その権限を他には与えませんよ、というものです。

ですから、いじめが起きた場合、それに対してどう対処するのかどうかの最終責任は、現段階では「教育委員会」にあります。ですから、学校と文書によって交渉しても埒が明かない場合は、その文書と経過を教育委員会に提出しましょう。

インターネットを通じて行われるいじめに対する対策の推進

いわゆる「ネットいじめ」に対する対策ですが、第19条3項に「インターネットを通じていじめが行われた場合において当該いじめを受けた児童等又は、その保護者は、当該いじめに係わる情報の削減を求め、又は発信者情報(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律)の開示を請求しようとするときは、必要に応じ、法務局又は地方法務局の協力を求めることができる。)」とあります。

つまり、いじめの関する書き込みに関しては法務局に相談すれば、削除や損害賠償を念頭において業者や発信者情報開示を請求することができるということです。相談をするときには、いじめ防止対策推進法第19条に基づいて、という話をすれば、法律ができる以前より迅速に対応してもらえるはずです。

以上、法律のポイントをおさえて、効果的に学校、その他に動いていただけるよう交渉するようにするとよいと思います。重大ないじめが少しでも減ることを願っています。


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。