キャリアプラン

キャリアに影響を与える出会いと環境―3つの教訓(2ページ目)

キャリア開発について、ガイドの私のこれまでの経験から考えてみたいと思います。教訓として、1.強烈な文化を持つ厳しい環境に一定期間身を置くこと、2.厳しい師匠との出会いや環境が財産となること、3.絶えず自分を磨き、お声が掛かるまで我慢して自己研鑚することの3つです。

藤田 聰

執筆者:藤田 聰

キャリアプラン・リーダーシップガイド


厳しい師匠との出会い

ぬるま湯でなく、厳しい環境こそがイノベーションに繋がります

ぬるま湯でなく、厳しい環境こそがイノベーションに繋がります

日本IBMは当時2万人以上の大企業で当時の椎名社長は入社式しか拝めない雲の上の存在でした。学生時代に野田先生のような存在にあったことは私にとっては幸運でもあり悲劇でもありました。自分の中で野田先生の存在があまりにもインパクトが大きかったため、上司や上長がどうも普通の人にしか感じられないのです……

結果的にIBMを退社して2、3年後には椎名社長とお目に掛かる機会ができました。中に入れば組織構造上在り得ないことです。何と恩師の野田先生と大の仲良しだったのです。野田先生経由で誕生日会など末席ながら何度か参加させていただきました。

IBMでは、最終的には自分の中で組織との折り合いもつけることができ、相応の貢献ができたのですが、運よく大学院に行く機会を得て、結果的に転職をすることになっていくのです。大学時代にCIの事は興味があり、論文を書いたことがありました。その論文が結果的に転職に繋がっていくのです。

PAOSはCIコンサルティング会社で知る人ぞ知る存在の会社でした。社長の中西さんは今でもお付き合いしていただいておりますが、仕事に関しては圧倒的に厳しい人でした。今でも覚えている言葉は、入社当時、“ミリの単位で仕事をしなさい。藤田君はメートルの単位の仕事で、幼稚園レベルだ”と。

今思えば、PAOSに転職した頃はCIブームが終焉し、経営的にも苦境の時期だったのです。中に入らなければわからないことですが。そういう環境の中で、プロジェクトワークはクライアント(依頼主)の期待を越えたものを提供することが第一でした。ミスは絶対に許されないものでした。満足を越えた感動を提供することがミッションだったのです。

コンピュータというサイエンスの世界からデザインというアートの世界へ、再現性の知ではなく、一回性の知の世界ではエネルギーの掛け方が異次元でした。鈍感でないと身が待たないプロの世界でした。(笑)

教訓2:
厳しい師匠との出会いが財産となりキャリア形成上重要なものになっていきます。


このように、キャリアを考えるとき、人との出会いが重要です。分野は違えど、影響力のある方々との繋がりは将来必ずや役に立つことでしょう。繋がるためには自分を磨き続けることしかありません。

ネットワーク社会である現代、上の世代から評価されるのみならず、下の世代からも評価されることが重要です。お声が掛かるチャンスが拡がるからです。
前回の記事「自己責任をベースとしたキャリア開発の時代へ」のように、職能給(ほぼ年功給)から職務給に変わっていくグローバル化した今日、若い世代が登用されるチャンス到来です。

シニア世代も“逃げ切る”という言葉は捨てて、身の丈大の志を持って変革にチャレンジすることができれば、個に立脚した自律的で魅力的な国に生まれ変っていくことでしょう。

影響力のある人と繋がる方策として、こんなことをやってみてはいかがでしょう。オピニオンリーダーは様々な媒体で記事になっています。その記事で感銘を受けたことや共感したことを手紙で送るのです。メールでもいいかも知れませんが手紙が効果的です。受け取った側として嬉しいもので、タイミングが合えば、意外にも会ってくれるものです。是非とも試してみて下さい。

会った際、記憶に残る位のインパクトを与えることが次に繋がります。兎に角、目立つことを考えましょう。普通に映ったら次はないものと思って下さい。影響力のある方は自分も嘗てそうだったように、尖っている人が好きなのです。

教訓3:
影響力のある人と繋がるためには自分を絶えず磨き、お声が掛かるまで我慢して自己研鑚するしかありません。


以上、今回は趣向を変えてガイド自身のキャリアを題材に記述させていただきました。少しでも参考にしていただき、共感いただければ嬉しく思います。

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