DTM・デジタルレコーディング/シンセサイザー活用ノウハウ

30年前の機材を復刻させたRolandのAIRAとは

2014年の電子楽器業界における、最大のトピックといっていいのは、Rolandが出したAIRAシリーズだと思います。よく話題は見るけど、何なのかよく分からないという人のために簡単に解説しましょう。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

 本家、Rolandが復刻した名機とACB技術

AIRA

RolandのAIRAシリーズ

テクノやダンスミュージックに興味のある方なら、Rolandの往年の名機、TR-808やTR-909といったドラムマシン、そしてベースシンセであるTB-303について、名前くらいは聞いたことがあると思います。

それぞれ約30年ほど前の機材であり、Rolandとしてもとっくに絶版となった製品ですが、世界中のテクノ、EDMの世界では現役機材として幅広く使われており、中古市場では高値で売買されています。そのため、世界中のいろいろなメーカーが、TR-808やTB-303のクローンを出したり、多くのサンプラーには、これらをサンプリングした音が収録されており、定番中の定番音色となっているのはご存知のとおりです。

TR-808

中古市場で高値でやりとりされているTR-808

しかし、Rolandはこれまで復刻するということはしてこなかったんですよね。まったく同じ製品を出すということは企業コンセプトに合わないという考えもあり、30年間、沈黙を守ってきたのです。

しかし、その長い沈黙を破って、ついにRoland自ら復刻させたのが、AIRAというシリーズ製品なのです。具体的には
●TR-8(ドラムマシン)
●TB-3(ベースマシン)
●VT-3(ボイストランスフォーマー)
●SYSTEM-1(シンセサイザ)
の4製品です。TR-8はTR-808やTR-909を復刻させたもの、TB-3はTB-303を復刻させたものです。一方、VT-3とSYSTEM-1は、復刻というのとはやや異なるものの、それぞれVP-330、やSH-101などを復元できるようになっており、いずれにせよ昔のマシンをよみがえらせることができるのです。

それぞれに共通するのはACB=Analog Circuit Behaviorという技術を使っているという点。いずれもデジタル機器ではあるものの、アナログ回路シミュレーションする最新のテクノロジーを用いることで、当時のサウンド、動きを忠実に再現しているのです。

【関連記事】
808、909、303の音を忠実に復刻。Roland AIRAがベールを脱いだ!

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