バレエ/バレエ観劇の関連情報

瀬山亜津咲に聞く、ゴールド・シアター最新作(3ページ目)

ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団の瀬山亜津咲さんが、この夏さいたまゴールド・シアターに振付、新作を発表! 昨年好評を博したワーク・イ ン・プログレスに続き、今回は満を持しての本公演を開催します。ここでは、公演に先駆け瀬山さんにインタビュー。創作法やゴールド・シアターへの想いについてお聞きしました。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

バレエガイド


ゴールド・シアターと三回目のタッグを迎える今回は、
いよいよ本公演を行います。

瀬山>みなさん言葉のプロですから、前回のワーク・イン・プログレスでは語りも多く取り入れました。ただ今回はなるべく言葉を少なくして、より身体を使って表現しようと考えています。ユニゾンで踊るというよりは、彼ら自身の性格であったり、彼らの今まで歩んできた人生であったり、彼らの持っているものをそのまま見せた方がもっと感動するんじゃないかと……。私自身、リハーサルの合間に見かけるちょっとしたことにものすごく感動したりする。そのままの彼らを、どれだけ上手くお見せできるかが私のテーマですね。

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クリエイションの模様


稽古は7月上旬からはじめました。月曜から土曜の週6日間、毎日10時から午後2時までで、日曜が休み。みなさん熱心に通ってくださって、本当にありがたいですね。まずはじめの1時間は必ずストレッチから入って身体を整えるようにしています。発声練習もそうでしょうけど、基礎というのはすごく大切なもの。みなさん気持ち良さそうにやってくださるし、一緒にウォーミングアップをすることで一体感が出る。

残りの3時間はクリエイションで、今回も質問をいろいろ投げかけています。例えば“自分の本当の名前ではなく、これまで人生を歩んできた中で自分にはこんな名前が合うと思うものを探してください”とか、“癪に障るという感情を身体であらわしてください”“火を身体であらわしてください”とかーー。質問は感覚的に浮かぶこともありますし、みなさんを見ていて質問が浮かぶこともあります。あと、どうやったら彼らが身体を動かしてくれるだろうか、というのは意識するところですね。たまに返ってくる答えが少ないときは、“次回までにこの質問について考えてきてください”と宿題を出すこともあります(笑)。

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クリエイションの模様


以前と比べると、みなさんすごく身体が動くようになりました。ただそれは、ストレッチの成果という訳ではないと思います。身体を動かすということに対する羞恥心がなくなってきたというか……。去年ともまた全然違います。前回までは、“デュエットをやってください”と言っても絶対にムリだった。言葉を使わず身体で表現するという意味で、みなさん変わってきています。今年は壁が全くなく、本当に素晴らしいですね。

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2012年ワークショップ(C)宮川舞子



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