なんと東京都渋谷区でフレッシュチーズを作っているチーズ工房兼店舗のSHIBUYA CHEESE STAND。その渋谷チーズスタンドをオーナーの藤川真至さんがオープンしたのは2012年6月。その後、多くのメディアにも取り上げられ、瞬く間に知名度を上げていき、私もその存在とチーズに興味津々!今回は、そんな渋谷チーズスタンドに迫ります。

ランチタイムを前に、続々とお客様が詰めかけます

ランチタイムを前に、続々とお客様が詰めかけます



職人であり経営者でもある藤川さん ~オープンまでの軌跡~

まずは気になるチーズ職人&経営者の藤川さん。食の仕事への夢が芽生えたのは高校生の頃で、大学に進学するか料理人の道に進むかで随分悩んだそう。結局は大学進学を選び、語学を学びつつ楽しい学生生活を送るうち、料理人の夢も薄れかけていました。

そんな折、1年間休学し、バックパックを背負ってユーラシア大陸の旅へ。中国やロシアを回り、さらに安いヨーロッパ周遊バスを見つけたのを機にヨーロッパへも足をのばしました。そしてパリでは星付きレストランで修業を積む日本人、イタリアでは本格ピッツェリアで働く日本の若者と出会います。彼らのひたむきに夢を追いかける姿に触れて、高校時代からの料理人の夢を思い出した藤川さん、「俺は何をやってるんだ!」と一念発起!まずはナポリのピッツェリアで働き始めます。そして休日に訪ねたチーズ工房で出来立てのチーズを食べ、「チーズってこんなに瑞々しくて美味しいんだ!」と感動。この経験が、彼をチーズ作りの道へ進ませる最初のきっかけとなりました。

「チーズ作りって面白そうだな」と興味を持った藤川さんは早速行動に移します。まずはチーズ作りを学べるところを探し、北イタリアのアルプス山脈を眺めるチーズ工房で住み込みで働くことに。労働力を提供する代わりに食事と宿を提供してもらうという条件で、日々チーズに塩を擦り込んだり、反転したりといった作業をしながらチーズ作りの基本を学んでいきました。チーズ作りはその時が初めての藤川さんでしたが、そうやって働き、またアルプスでの放牧を身近に感じながらの日々を過ごすうちに、「いつかチーズを作りたい!」という思いがさらに強いものとなっていきました。

チーズ作りの夢を追いかけるようになった藤川さんは、帰国後名古屋のレストランで働き始めます。ここで「地産地消」の考え方や、良い素材を大切に活かす料理を学びます。さらに意外なのが、その後、新たな立ち上げのドーナツショップのストアマネジャーとしても数年働いています。そこで経営者としてのノウハウを学び、いよいよチーズ工房のオープンへ向けて走りはじめました。

まずはチーズ作りを完成させたいと思った藤川さん、プロ向けの講習会に参加したり、様々なチーズ工房を訪ねたり、さらには八王子の磯沼牧場でチーズ作りの立ち上げを手伝い……、とにかく試行錯誤でチーズ職人としての腕を磨き、多くの困難を乗り越えて2012年のオープンに至りました。

オープン当初からの看板牛。真っ白で大きなその姿は存在感抜群!

オープン当初からの看板牛くん。真っ白で大きなその姿は存在感抜群!


様々なことにチャレンジしたがゆえに回り道と思える事もありましたが、結局は今までの経験がすべて活かされていると語る藤川さん。確かにその通りです。

ちなみに大学の卒業論文は「イタリアのモッツァレッラ」。論文のために再び現地ナポリに足を運び、モッツァレッラ協会等で話を聞いてきたりもしています。そういった持ち前の好奇心と情熱、フットワークの軽さがあったからこそ、このCHEESE STANDのオープンに辿り着けたようです。