血流を改善し、動脈硬化予防に役立つかも?
動脈硬化は心疾患や脳疾患の原因となり、また脳疾患の後遺症では寝たきりや麻痺等が残ることから、健康寿命を延ばすためには動脈硬化予防が重要な課題です。同社の研究では、血液の流れを良くし、血管を柔軟に保つことで動脈硬化を予防する血管内皮の機能に注目。血管内皮機能が正常であれば、血管が柔軟に拡張して血流がよくなると言われています。また、食後の血糖値の上昇により酸化ストレスが生じることで血管内皮機能が低下すると、動脈硬化が発生したり、悪化すると考えられています。
今回の研究では、健康な男性(平均年齢45歳)14名が、180gのレトルトカレーまたはスパイスを含まないコントロール食品を200gの米飯と併せて摂取し(計約500kcal)、摂取前後で血管内皮機能を比較した結果、カレーを食べることによって、酸化ストレスによると考えられる食後の血管内皮機能低下が改善することを確認されました(第46回日本動脈硬化学会総会・学術集会にて発表)。
リリースでは、次のようにまとめています。
酸化ストレスの増大によると考えられる食後の血管内皮機能低下が、カレー摂取後では見られず、 血管内皮機能が改善することが分かりました。血管内皮機能傷害は脳卒中や心筋梗塞といった動脈硬化疾患の原因になることが知られており、カレーの摂取は健常人の心血管の健康に役立つ可能性が考えられます。今後は、カレーの血管内皮機能改善効果のメカニズム解明等を行いたいと考えています。
私たちが家庭でまたは外食でカレーを楽しむ際、種類は豊富にあります。そのため今回使われたカレーの内容や、レトルトとルゥ、カレー粉、具材などが変わることでの影響について、ハウス食品グループ本社株式会社に問い合わせてみました。
今回の実験では具材のばらつきを減らすため「キーマカレー」(レトルト)を使用されましたが、今回明らかになった効果は具材に起因するものではなありません。スパイスは、種類の少ないシンプルな配合で、一般的なカレー粉同様のものが使用されていました。
またレトルトでは加熱により抗酸化作用が減少する可能性もありますが、「レトルト」で効果があるのなら、他のタイプのカレーでも効果があるだろうと考えられます。
こうしたことから、具材は変わっても、一般的なカレー粉の配合であれば、同様の効果が期待できると考えられるというコメントをいただきました。
*ただし、自家製配合のスパイスで作るカレーについては、定かではありません。
次ページでは、夏にカレーがおすすめなワケをご紹介します。