本来の「土間」は家事スペース

土間の効用

土間にかまど、、、時代劇などでよく見かえける光景ですね

もともと室町時代以降の都市庶民の住宅(町家)はユカと土間という2つの基本的区分を持って発達しました。起居坐臥(ききょざが)のみがユカの上で行われ、その他の家内手仕事、体の動きを必要とする家事(料理、洗濯、入浴、藁仕事など)いっさいの労働はすべて土足のまま土間で行われていました。

一日のほとんどは、土間での生活でした。土間は直接地面に接しているので、濡れることも気にせず、水も自由に使えるので泥でよごれたモノの扱いも苦になりません。家事スペースとしてとても有効です。

いつ、「土間」が消えたのか?

その土間が消えるきっかけとなったのは、明治・大正・昭和を通して急激な都市化にともない、住宅が不足したことが原因とされています。

当時の家賃は一畳いくら、という畳面の数量に応じて決まりました。土間には畳が敷かれていないので、どんなに広くても賃料の対象にはなりません。そこで、賃貸経営者は賃料の対象となる床畳面を残し、賃料の対象とならない土間をなくして、畳面だけの住宅の数をできるだけ増やし、賃料を多く稼ごうとしたわけです。

名古屋、大阪ではこうしたことが進みましたが、京都は賃貸需要が上昇しなかったので土間のある町家形式が残ったと、いわれています。


土間復活を望む主婦の声が

こうして、家の中からすっかり土間が消えてしまったわけですが、最近、土間復活を望む主婦の声が聞こえてくるようになりました。

泥のついた家族の靴はお客様を迎える玄関には置きたくない。スポーツ用具や自転車の空気入れ、生協の箱、園芸用品、スニーカーを洗うバケツなど泥のついた物を置く場所がなくて困る。ちょっとした鉢の植え替えや鳥かごの掃除、買った食料品などを玄関から台所で冷蔵庫や棚にしまうことができる。などなど

家事のしやすい動線、収納を考えると、確かに、土間があれば機能的ではないでしょうか。


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